12月15日の日露首脳会談に向け、20日リマで行われた安倍首相とプーチン大統領との会談、その後の両首脳の記者会見についてメディアが連日取り上げている。

 日露関係わけても、北方領土問題についてこれ程取り上げられたのは2001年3月のイルクーツクにおける森首相とプーチン大統領との会談以来ではないか。関心を持たれることは良いことである。

 プーチン大統領は共同経済活動に前向きな言及をし、首脳会談の内容にも触れている。

 安倍首相は71年解決してこなかった問題を解決するのは容易なことではないと言っている。

 両首脳の発言を聞きながら、問題認識は両首脳とも共通していると私は受け止めている。あわせてこれまでの経緯からして、竹を割った様にスパッと簡単に割り切れる話でもない。

 1956年の日ソ共同宣言を元に、1998年の小渕・エリツィン会談での共同経済活動委員会設置、2001年の森・プーチン会談等を元に知恵を出していくしかない。戦略的パートナーとしての信頼醸成を、さらに積み重ねて行くことが重要である。

 安倍首相・プーチン大統領の発言を聞きながら静かな落ち着いた環境になったことは良かったと思う。

 過度な期待感を持たせることは危険である。いつも言うことだが、領土問題、国境画定については国益の観点からお互いリスクを背負いながら首脳の決断、判断しかないのである。

その決定にはどのような内容・中身であれ、私は了とするものである。

 

 

※11月25日(金)夜中の午前1時25分~4時25分(26日)まで、テレビ朝日「朝まで生テレビ」テーマ(激論!トランプ次期大統領とニッポン)に生出演します。是非見て下さい。