フィリピンのドゥテルテ大統領が、中国訪問中に「我々はこれまで米国の指示にそのまま従っていた」「米国と決別する」と発言したが、フィリピンに戻り「米国との関係を維持する事が国民にとって最善」と記者会見している。

 ドゥテルテ大統領の中国での発言は、本心、思った事を口にしたと思う。米国の言いなりになってきた歴史の事実を出してしまったのだろう。中国での発言であり、中国を意識もしたのだろう。

 フィリピンに戻り、フィリピンの最大公約数は、アメリカを抜きにしてのフィリピンはないという空気を感じとり、軌道修正に及んだと思う。

 このドゥテルテ大統領の変幻自在の外交を時には学ばなければならない。いかに大国かつての宗主国アメリカであっても言うべき事は言うという姿勢である。

 大阪府警の機動隊員が「土人」と沖縄県民に暴言を吐いた事が問題視されているが、本土の人が沖縄を蔑視し、差別している。お上(かみ)の感覚だと沖縄県民が反発するように、ドゥテルテ大統領もアメリカに対する思いがあって当然である。

 そのドゥテルテ大統領が、25日から27日まで日本を訪問し、天皇陛下と会見し、安倍首相と首脳会談する。どんな発言をされるのか注目したい。

時々ドゥテルテ大統領は過激なびっくりするような発言をするが、いつも一過性の出来事で終わっているという事は、しっかり国民の思い、気持ちをつかんで、考えて発言をしているしたたかな政治家かもしれない。

いずれにせよフィリピン国民が民主的手続きで選んだ大統領である。来日中のその一挙手一投足をよく観察してみたい。