昨夜、ウラジオストクで行われた安倍首相とプーチン大統領の日露首脳会談で、12月15日山口県長門市で会談する事が決まり、11月19日、20日、ペルー・リマでのAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議でも会談する事で合意している。

プーチン大統領の訪日が正式に決まっただけでも、今回の首脳会談は大成功である。しかも1対1で約55分、北方領土問題を話された。

31日、安倍総理と会ったとき、安倍総理は過去の経緯を踏まえ、今後の進め方もしっかりと整理されておられた。

1956年の日ソ共同宣言から60年、特に12月12日が発効の日であり、その節目の時期にプーチン大統領が訪日される。何かドラマを見るような流れである。

11月のAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議での会談が大きなポイントになるのではと感じながら、12月15日、両首脳の決断によって歴史の一ページが創られるものと確信する次第である。

父上、亡き安倍晋太郎先生が、自分の果たせなかった事を安倍晋三総理が一所懸命やっている事に満足し、天国から大きな声援を送り、支えておられる姿が私には目に浮かぶ。

今日のフォーラムで、プーチン大統領は「シンゾウ」と呼ばれた。公式の会議の場では「アベサン」と表現する事が多いプーチン大統領が、親しみを込めて「シンゾウ」と表現するだけでも両者の信頼度が高まった証である。

また、プーチン大統領は森元総理のお父様の功績にも触れられ、民間外交をなされた事を話され「これこそ未来への実例」と紹介している。

平成12年4月4日、私は大統領選挙当選直後のプーチン次期大統領と初めて会談した際、「次期首相は森喜朗先生である。そのお父様は、日ソ関係を良くしようと民間外交をなされた」と細かく説明した事を、私自身、昨日の事のように思い出された。

安倍総理もロシアはロシアの立場、日本は日本の立場がある。それを乗り越えて、未来志向で日露関係を発展させていきたいと言った趣旨の話をすると会場から大きな拍手がおき、プーチン大統領も拍手したという。

こうした良好な状況、環境を創りあげた安倍総理の外交力=人間力は、高く評価したい。

これから12月までの3カ月が正念場である。外務官僚はじめ司司(つかさつかさ)の人が、命懸けで安倍総理を支えて戴きたいと願ってやまない。