一票の格差をめぐり違憲性を避けるため参議院選挙で選挙合区が導入されたが、合区解消のため憲法改正まで踏み込む議論を求める決議を全国知事会が衆・参両院議長に提出している。決議は7月末に全国知事会議で採択している。
 衆議院議員選挙でも一票の格差が問題となっている。一票の価値、重みは公平でなくてはならない。
 よく人口の少ない地方は不利になると言う議論が出てくるが、都市部で多くの国会議員が輩出されても歴史に残る政治家が何人出ただろうか。圧倒的に地方出身者が多い。
 130年の内閣制度の中で東京出身の首相は鳩山一郎、菅直人両氏だけである。大阪は鈴木貫太郎氏のみであり、数よりも人物である。
一票の価値は何人と言えども同じである。それを考える時、抜本的選挙制度の改正をしなくてはならない。
 衆議院300の小選挙区を200にし、100削減。東京都、政令指定都市は、人口は多くても選挙区面積が狭いのであるから複数を選ぶ大・中選挙区にし多様な声を受け止めるとか、参議院は全国区をなくし、衆院での比例区を元に人口100万人で一人の定数割にしてより政治を身近なものにするとか思い切った頭作りをする時期に来ているのではないか。まさに国民から選ばれた国会議員の出番である。
 参議院選挙も終わり、時間がある。衆議院も任期まで2年以上残っている。この時期に国民が納得する定数削減を含めた抜本的改正をすべきでないか。衆・参両院議員の賢明な判断を期待したい。
 16時から8月東京大地塾。今月のテーマは新しくロシアの大統領府長官に就任した「アントン・ワイノ氏」について佐藤優さんから分析、解説してもらう。
 ワイノ氏は在京ロシア大使館勤務経験もあり、当時パノフ大使の時で私も何度も会った経験がある。佐藤さんは以前から将来日本にとって大事な人だと述べておられた。佐藤さんの読み、眼力は大したものだと恐れにも似た凄さを感じるものである。
 振り返れば2000年(平成12年)3月25日、イルクーツクでの日ロ首脳会談の際、一人で歩いてくる当時の大統領副長官メドベージェフ氏を見つけて「鈴木先生、将来伸びる人物ですよ」と言って約30分位立ち話をしたことがある。
 交代したセルゲイ・イワノフ氏についても「プーチン大統領の最も信頼のある人です、パイプ作りをしましょう」と言って1999年12月モスクワで会い、その後も何回か接触した。外交は積み重ねであり、人間関係である。
 佐藤さんの話を聞きながら、外務省は国益の観点からしっかり安倍首相を支えてほしいと願うものである。