北朝鮮は、一方的に日本人拉致被害者の安否などに関する再調査の中止を発表している。
 ミサイル発射をした事で、日本が独自制裁を行ったことに対する反応だろう。
 岸田外相はカナダで、2014年5月、再調査を約束したストックホルム合意を破棄することは考えていないと述べているが、外交には相手があり、その一方の当事者である北朝鮮が対話にのってこないとするなら、厄介な事である。
 制裁を科したことで、当然北朝鮮が起こしてくる反応とは思っていたが、横田めぐみさんの母親・早紀江さんが「あぁ、またやっぱりやったな」と取材に述べている言葉が印象的である。
 国連はじめ関係各国が協力し、国際社会に北朝鮮を積極的に呼び込み、世界の現状を広く知らせることが必要だと思うのだが。
「圧力と対話」という言葉がよく使われるが、北朝鮮は強く出ることにより相手を引き付けれると考えているだろう。
 必要な人道支援等を行い、まずはチャンネルを維持し、築いていくことも大事ではないか。お互い強いことを言い始めると抜き差しならぬ関係になる。大人の対応が外交には時に求められる。
 こうした時こそ、外務官僚の腕の見せ所、実力発揮のチャンスである。
 国益の観点から、その力を活かしてほしいものである。
 カトリック教会のフランシスコローマ法王とキリルロシア正教会総主教がキューバの首都ハバナで会談している。
 1054年、キリスト教が東西に分裂して以来、なんと1000年近い時間をかけての初会談である。この歴史的な出来事はキューバのカストロ議長が仲介の役を果たしたと報じられている。
 キューバとアメリカの和解にフランシスコローマ法王が尽力し、今回はカストロ議長が一肌脱いだとの事である。
 プーチンロシア大統領は、ロシア正教を大事にしている。宗教指導者の重みを世界平和の為、外交でも活かしていくべきである。