注目された台湾総統選挙は民進党、蔡英文主席が当選し、台湾初の女性総統となった。

蔡氏の当選により、対中国関係は「現状維持を続ける」ことになるのだろう。

蔡氏は4年前の総統選挙で国民党の馬英九氏に敗れたが、まさに雌伏(しふく)4年での当選である。

日本で女性の活躍、登用がいわれるが、お隣台湾では一足早く女性の総統誕生である。

今回の総統選挙に日本のメディアも台湾に乗り込んで報道していたが、日中国交正常化の40年前と比べ、随分環境も変わったと感じるものである。

あの頃、中国は台湾とは席を同じくしないと言った厳しいものだった。飛行機にしても日本航空は別会社を作って台湾路線を維持したものだ。台湾の人と今は中国の人が行き来する時代となった。

総統選挙の報道を見ながら間違いなく世界は動いている。日本も乗り遅れないようにしなければと痛感するものである。

長野県軽井沢町で起きたスキーツアー客ら14人が死亡した事故で、バス運行会社の社長はじめ杜撰さが指摘されている。

社長が遅刻して運転手健康管理をしなかったとか、バスの運行ルートが変更されたとか、初歩的な管理ミスがあったことが明らかになっている。

14人もの、しかも将来ある卒業を控えた大学生が犠牲になっている。一寸したミス、甘さがとんでもない悲劇を作ってしまった。何とも惨い出来事である。料金も法定運賃を下まわっていたと報道されている。

想い出してほしい。小泉政権で「規制緩和」「自由参入」といって誰でも好きな仕事ができますとはやし立てた。

私は命に係る仕事はある程度の規制があって当然だと主張したら、改革に対する「抵抗勢力」と言われた。タクシー会社、バス会社が増え、過当競争になった。

バラ色の規制緩和は格差を生み、何よりもかけがえのない命を奪っている。

読者の皆さんも、今立場に就いている国会議員も、あの行き過ぎた規制緩和はどうだったのか。15年経過した今、検証すべきではないか。

今回の事故を見ながらつくづく考えるものである。