昨日の色丹島では水産加工場を見たが、日本並みの近代設備機械でなんと日本製という工場側の説明だった。

 学校建設等に外国人労働者が125人きており、うち25人が北朝鮮系、他は中央アジア・ロシアからとのことである。

 韓国現代のトラック、ダンプが動いており、商店の品もハングル文字が目立つ。私が行ったお店では、歯ブラシ・洗剤に日本の品があっただけだった。

 改めて一日も早い北方四島での共同経済活動を進めなくてはと思うものである。

 午後から住民交流会があり、島のロシア人から「日本はなぜ、酷いことをされたアメリカに従うのか」という質問があり、その答弁を私に振られたので「時の首相の判断である。1996年から2001年の橋本龍太郎・小渕恵三・森喜朗各総理の時は日露関係は良好だった。小泉純一郎総理になり、アメリカ一辺倒になり日露関係空白の10年となってしまった。今の安倍首相はプーチン大統領の来日を機会にダイナミックに日露関係を動かしたいと考えているので期待している。島の皆さんに是非わかってほしいのは、この島も国後・択捉・歯舞群島も未解決の係争地域であり、話し合いで解決することで日露の最高首脳は合意している。この点、皆さん方もよく理解してほしい」と話した。

 反論があるかなと思っていたが、誰一人としてブーイングもなく静かだった。色丹島ではそれなりに受け止めていると思った。

 夕食会でもウーソフ斜古丹村長は「中央政府の難しい交渉は中央政府に任せて、我々は友好を深めて行きたい」と現実的な挨拶をされた。

 私から前もって質問として「アイヌ民族はこの島における先住民族か」と尋ねていたら出席島民から「勿論そのことは存じている。地下から出てくる道具の破片からもアイヌ民族が先住民族であったことが判る」と答えられた。

 私がアイヌ民族の権利の確立、日本の先住民族として政府に求め、認めさせることができたが、「文化の面で、歴史の上で、北方四島はアイヌ民族が先住民族で、そのアイヌ民族は日本国民です」とロシア側に文化・歴史、多面的、重層的アプローチをした方がより問題解決に繋がると考えたからである。

 今朝8時35分から約10分間、古釜布沖に止められている「第十邦晃丸」、伊東船長と電話無線で話すことができた。

 伊東船長に乗組員の健康状態を聞くと「皆、変わりない。薬が手元に届き良かった。取り調べも残り3人となり、今日中に終わると思う」とのことである。

 私からおかずが不足するのではと24日面会した時言われたので「カレールー・素麺・日本蕎麦・味付け海苔・ゴマ昆布・たくあん」等、「えとぴりか」の協力を戴き、船に積んである物を国境警備局に託した旨、伝えた。

 国境警備局には出域手続きにきた責任者に「人道的配慮」を強くお願いをした。

 今日中に届くことを願ってやまない。

 12時半、無事根室に到着し、13時半から報告記者会見をする。