自民党若手の勉強会で、元NHK経営委員で作家の百田尚樹氏の講演内容、その後の質疑応答で、百田氏の発言と自民党議員とのやりとりが問題になり国会でも取り上げられ、昨日、自民党の谷垣幹事長は、勉強会の代表である熊本1区選出木原稔自民党青年局長を一年間の役職停止処分にした。
更に、「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなる事が一番だ」と発言した東京16区選出大西英男、「番組ワースト10とかを発表して、それで広告出している企業を列挙すればいい」と発言した福岡1区選出井上貴博、「沖縄の特殊なメディア構造をつくってしまったのは戦後保守の墜落だった」と発言した比例近畿ブロックの長尾敬各氏を厳重注意処分にすると記者会見した。
25日の会合で、翌日国会でも取り上げられ、安倍首相は意に介さない答弁をしていたが2日経って処分という流れに、どうなっているのかと首をかしげたくなる。
そもそも「文化芸術懇話会」という名の勉強会で、全く文化的でない話をする講師も講師だが、国民から選ばれた国会議員が、何とも身勝手な上から目線の発言をすること自体が問題である。
講師の百田尚樹氏も昨日、福岡での講演の後「『野党は僕の発言をうまく利用している』と記者の質問に答え『ドアに鍵をかけてしゃべっているわけで、飲み屋の会と一緒。一種の軽口。雑談の中で飛び出したことだ』と重ねて説明している。(北海道新聞4面)」
「自民党本部での昼間の勉強会を飲み屋の会と一緒だと受け止めている百田尚樹は頭に虫が入っている。その勉強会に出た連中は一種の軽口、雑談だと思って聞いていたのか。百田も百田だが、出席していた国会議員が、なぜ百田に注意をしなかったのか。どっちもどっちである」と厳しく激しい指摘が私の元にも寄せられ、何かしら私が怒られているようで、ただただ頷くのみだった。
それにしても何とも情けない話である。百田氏に信念があるならば「軽口、雑談」と言わず、信念を通すべきでないか。出席した議員も「クローズの会だから個人の感想は控える」とか「コメントできない」等々、逃げている。
「間違った発言は速やかに撤回し、国民に、沖縄の皆さんにお詫びしろ」という仲間がいないところが問題である。
発言の行き過ぎや失敗は、時に起きる事もある。言い逃れやすり替えは恥ずかしく、潔くない。正直に真摯にお詫びをすれば分かってもらえる事もある。
なんとも人間性の欠如著しいとため息の出る次第だ。