日本と韓国が国交正常化して50年である。東京オリンピックの翌年だったことが鮮明に想い出される。高校3年生だった。

 私が仕えた中川一郎先生が日韓国交正常化に係っていた。昭和38年11月、韓国朴パク・正煕チョンヒ大統領の就任式に自民党の大野伴睦副総裁が特使として出席し、その時、随行したのが衆議院議員に当選したばかりの中川一郎先生だった。

 大野先生はその半年後に亡くなり、自民党の実力者 河野一郎先生を表看板にし、その裏方を宇野宗佑先生、中川一郎先生が議員外交をした。

 金鍾泌キム・ジョンピル首相・丁一権チョン・イルグォン首相・李厚洛イ・フラクKCIA長官・朴パク・鐘ジョン圭ギュ大統領警護室長・李秉禧イ・ビョンヒ日韓議員連盟幹事長等、私が秘書の頃もよく来日され、中川先生と必ず会っていたことが懐かしい。私も韓国の要人から可愛がって戴いたものである。

 当時は政治家同士の人間関係が深かったという印象を持っている。朴パク・正煕チョンヒ大統領も日本との関係の重要性を十分認識していた。

 今日、安倍首相は韓国の尹炳ユンビョン世セ外相と会談し、夕方には都内で開かれた記念行事に出席した。一方ソウルでは朴パク大統領が記念行事に出席している。

 国交正常化50年の記念の日にギスギスしていた日韓関係がやっと元に戻って行くような動きが出てきたことは良かった。

 ロシア・中国・韓国は隣国である。個人の場合は住み心地・居心地が悪いと引っ越しができるが、国は引っ越しできない。折り合いを付け、仲良くするしかないのである。

 このことを国民から選ばれた国会議員、公僕である官僚はよくよく頭に入れて国益を考えて行動してほしいと願ってやまない。

 日韓関係でよく「一衣帯水いちいたいすい」という言葉が使われたが、この言葉が再び自然体で出てくることを願ってやまない。