安倍首相は昨日の参院予算委員会で、中東地域の情報収集強化のため中東地域の日本大使館に防衛駐在官を増員派遣すると述べている。軍の情報も当然大事だし必要だ。
 防衛駐在官が居た方が良いか、居ない方が良いかと問われれば、居た方が良い。あわせて外務省に情報の専門家を育てて行くことが急務である。
 外務省の中には司々つかさつかさの人がそれぞれの国の情報関係者とのパイプを持っているが、それをもっと太くし、レベルを上げて行くことである。
 かつて外務省にはロシアの佐藤優、アフガンの高橋博史と言われるほど世界に通用した専門家が居た。
 情報の重要性に鑑み、国益の観点から佐藤優さんは主任分析官として長く同じポストで仕事を数々の実績を残している。
 平成13年、小泉政権が誕生し、田中真紀子氏が外相になった。その田中氏は佐藤優さんが長く同じポストに居ることを「鈴木宗男がさせている」と全く頭に虫の入った感覚で世論にメディアに訴えた。
 世論は「鈴木ケシカラン」と言う方向になって行った。それ以後の情報収集体制は格段と劣化して行ったと思われる。
 働くやる気をそぐような、自分の不見識、間違った情報で事にあたる規格外の人物がポストに就くととんでもないことになる。恐ろしさをしみじみ感じたものである。
 こんな人を起用したことがそもそもの問題ではあるが、読者の皆さんに判ってほしいのは、私は国益の観点で地球儀や世界地図を見ながら判断していたと言うことを理解して戴きたい。
 いかに科学技術が進んでも情報収集には、やはりマンパワー・人が基本である。
 今、佐藤優さんみたいな人が居たならば、まだ違った展開になっていたのではとしみじみ感じるものである。
 19時から大阪でやしきたかじんさんの一周忌に出席する。
 個性豊かだったやしきたかじんさんがお元気であったら、今回の人質事件を、テロをなんとか喝破かっぱしただろうかといろいろ想像したものである。
 「政府の中で俺が人質の身代わりになるから善良な市民を釈放すれ。俺が行くという体を張る政治家が居ないのか」と言ったのではないか等々、頭を過よぎったものである。
 やしきたかじんさんのご冥福を心からお祈りした次第である。