イスラム国に拘束されている後藤健二さんの奥さん宛に昨年11月から今年1月にかけて後藤さんが拘束され身代金要求のメールがイスラム国関係者から送られていたと報道されている。
 10通のメールのやりとりがあり、20億円の要求だったとも新聞に出ている。
 後藤さんの奥さんは外務省に相談したそうだが、11月から動画で明らかになるまで政府はどんな対応をして来たのか。
 初動が極めて重要な意味を持つ意味合いの事件で、どう動いたか問題解決のあかつきには是非とも明らかにしてほしいものである。
 関係各国との連絡、情報共有はどうだったか。検証する必要があるのではないか。
 1月8日、ロイター通信は英国秘密情報部のアンドリューパーカー長官がシリアのイスラム過激派組織が欧米で無差別攻撃を計画している。7日にパリで起きた襲撃事件は英国でも起きる可能性が高い西側に対する無差別的攻撃を計画していると述べている。
 メディアに出ることのない立場の人がそこまで言うには何がしかの情報を得ての発言であろう。
 後藤さんの奥さんへのメール等から昨年秋から拘束されている日本人についても情報は持っていたのだろうか。日本政府は何処まで情報を共有していたのか。
 そうした状況の中で安倍首相の中東訪問日程がこの時期に組まれたことは、インテリジェンス的に正しい判断だったのかどうか冷静に分析する必要があるのではないか。
 世界から日本のインテリジェンス能力はどうなっているのかと思われたのでは日本の信用に係ることである。