国連(ニューヨーク)で開かれた先住民族世界会議に出席した北海道アイヌ協会 阿部一司副理事長は日本政府代表団として初めて参加したことに大きな成果だとし「アイヌ民族の権利を実現し、文化などを後世に伝える大きな第一歩になった」(24日付 北海道新聞1面)と述べている。
 阿部副理事長の高揚感が伝わってくる。
 1992年、国連で国際先住民年に北海道ウタリ協会(アイヌ協会の前身)の野村義一理事長が出席し講演をしたが、あの頃、歴代自民党政権・政府はアイヌ民族を先住民族とは認めず、今回の政府代表団ではなく、アイヌ民族代表だった。この歴史を振り返りながら阿部副理事長は感慨深いことだっただろう。
 改めて2008年、衆・参両院での国会決議、アイヌ民族の権利確立とアイヌ民族を先住民族として認めるよう私が出した36本もの質問主意書が成果となり、一つのレールは引けたと自負するものである。
 これからが大事である。アイヌ民族の方々は年齢も高くなってきている。将来に向けてしっかりとアイヌ文化の伝承、歴史を残す方策をしていかなくてはならないと考えるものである。
 国連総会で岸田外相とロシアのラブロフ外相との会談が実現することを期待していたが、日程の都合がつかず見送りになったと報道されている。
 北方領土交渉を進め平和条約締結を真剣に考えるのならラブロフ外相を待ち伏せしてでも時間を取ってくれと迫るのが本来の姿と思うのだが。
 事務方もどこまで裂帛の気合を持って取り組んでいるのかと心配するものである。
 森元首相も安倍総理の親書を持ってプーチン大統領と会談したが、森元首相もモスクワの日本大使・日本外務省のロシア担当者の動きについて種々話してくれたが、森元首相の認識通りと思う。
 外交力イコール人間力である。よく外交はフェースツーフェース・ハートツーハートと言われるが、積み重ね、信頼関係なくして外交は成り立たない。プレイヤー不在を嘆くものである。
 ウクライナを巡りG7(先進7か国)は対ロ追加制裁をしたが、日本がどうして欧米の言いなりになるのか国民に良く説明してほしいものだ。
 日露両国には解決すべき国家主権に係る領土問題がある。アメリカや英国とは環境が違う。日本の独自外交があって当然でないか。
 日米同盟と言っても筋の通らない一方的な価値観での押し付けにはきちんとノーということが必要である。
 安倍首相を取り巻く司々つかさつかさの人達が国益の観点からバランスの取れた外交を展開してほしいものである。