20日、政府は従軍慰安婦問題に関するいわゆる1993年の河野洋平官房長官談話の作成過程について検証した報告書を衆議院予算委員会理事会に提出した。
 「報告書では談話を作る際に日韓両国が文書を調整し、金泳三大統領も内容を了解していたことが明らかになった。両国は協議した事実は公表しないことで一致し、元慰安婦の聞き取り証言は裏付け調査をしていなかったこともわかった」(読売新聞1面トップ)と報道されている。
 ここで大事なことは「両国は協議した事実は公表しないことで一致し」と当時決めておきながら、今になって日本側が一方的に作成過程を検証し報告書を出すと韓国側も黙ってはいない。
 「韓国外交省報道官は20日、河野談話の検証結果を受け、声明を出した。『事実関係をごまかし河野談話の信頼性を損ねている』として『深い遺憾』を表明した」(読売新聞1面)と案の定、反発している。
 外交では「約束したことは守る」、これが最低限の信頼関係である。
 最近の日本の政治を見ていると「約束はしたが、約束を守るとは約束していない」と言った感じである。
 外交にとどまらず、国内政治でも一昨年11月の野田首相と安倍自民党総裁との党首討論で「定数削減、1票の格差是正を次期国会でやりましょう」と合意し選挙となったが、2通常国会を得ても何も進んでいない。
 「国民との約束は守る」という姿勢をしっかり持ってほしいものである。
 通常国会は終了したが、閉会中も集団的自衛権の行使について与野党協議が行われ、閣議決定をする流れである。
 これに伴い、法案審議が必要となってくる。当然、臨時国会を開くことになる。国民もしっかりチェック機能を果たすべく情報に遅れを取らないようにしていくべきではないか。
 朝の便で千歳に飛び、午後から「陸・海・空自衛隊合同コンサート」に出席。久し振りに自衛隊陸・海・空の中央音楽隊の素晴らしい演奏に何とも言えぬ思いであった。
 札幌は2週間ぶりの青空で清々しい天気であった。