中国外務省は昨日の定例記者会見で、南京事件と旧日本軍慰安婦の歴史資料をユネスコ(国連教育科学文化機関)に「世界記憶遺産」に登録申請したと発表している。
 菅官房長官は午前の記者会見で中国側に抗議した上で申請を取り下げるよう求めた。
 正確を記すためにNHKニュースでの菅官房長官発言を乗せたい。
「旧日本軍の南京入城後、非戦闘員の殺害あるいは略奪行為があったことは否定できないと考えるが、具体的な数はさまざまな議論があることもあり、政府として断定することは困難だ。そういう状況のなかで中国が一方的に申請したことに強く抗議したい」と述べました。
そのうえで菅官房長官は「日中両国の関係改善のために努力する必要がある時期に、中国がユネスコの場を政治的に利用し、日中間の過去の一時期における負の遺産をいたずらに強調しようとしていることは極めて遺憾だ。きょう中国に対し、抗議のうえ取り下げるように申し入れた」
菅官房長官も言葉を選びながら慎重なもの言いだと受け止めたい。
 慰安婦問題にしろ、南京事件にしろ、気を付けなければいけないのは、ホロコーストと同じで、日本は非人道的なことをした国であると国際的にキャンペーンを貼られると国際世論は日本に見方はしない。このことを私は一番危惧している。
 自称愛国者と称する人が居丈高に声高に「南京事件も慰安婦も正確でない。数字が違う」と言っても一人でも日本人に殺され、一人でも慰安婦と言われるようなことをさせられたらそれで日本はとんでもないことをしたとなるのである。
 過去の様々な出来事を乗り越え韓国とは昭和40年国交正常化をし、中国とは昭和47年日中国交回復をしたのである。
 ここはお互い大人のゲーム、大人の外交をして行くしかない。外交力、イコール人間力である。
 司々の地位に就いている人、外務官僚も正に腕の見せ所である。胆力を持って国益最優先で、未来志向で問題解決をしてほしいものである。