昨日、袴田巌さんが48年振りに故郷浜松に帰った。
 「お帰りなさい」の声に手を上げて、何とも言えないにこやかな袴田さんの姿に本当に良かったとつくづく思う。
 長期拘置により拘禁症状があり、浜松の病院に転院したとのことだが、お姉さん秀子さんが側にいるので安心である。
 一日も早い回復を願ってやまない。
 それよりも即時抗告した静岡地方検察庁のやり方は人間的でない。裁判官の「5点の衣類等のDNA鑑定関係の証拠及び5点の衣類の色に関する証拠は、刑事訴訟法435条8号の『無罪を言い渡すべき明らかな証拠』に該当する」とした判決文をよく読むべきである。
 密室の取り調べで強圧的に、時に脅迫まがいの、そしてシナリオ・ストーリーに沿った誘導・誤導であえて犯人を作り出すやり方は公平・公正でない。
 袴田さんは真実無罪であると訴えて参りたい。権力を背景に暴走した検察官・警察官を許しておいてはいけない。
 私も国策捜査にあった者として、敢然と悪しき権力とは闘っていく決意である。
 改めて取り調べの可視化を実現しなくてはいけないと強く考えるものである。