日本政府はウクライナの緊張緩和に変化がないとして、ロシアに追加制裁を発表している。 28日に米国とEU(欧州連合)が追加制裁を発表したので日本も付き合った感がする。
 23人の日本への入国査証(ビザ)発給を当面停止するというもので名前などは公表していない。この程度の制裁ならばやめた方がよい。
 日本が米国・EUに同調するとロシアも黙っていられなくなる。案の定ロシアは「日本政府の決定を失望と共に受け取った。当然報復なしではおかない」とロシア外務省は29日反応している。
 ロシアのルカシェビッチ情報局長は「この拙劣な措置は明らかに外圧のもとで行われ、対露関係の発表は重要だとする日本政府の言い方に反している。制裁の言葉で私たちと対話するのは非生産的だと強調したいと指摘した」(北海道新聞30日1面)と書かれている。
 ウクライナ問題でアメリカ・英国・仏はロシアに強く出ている。アメリカは自前でエネルギー資源を持っている。英国も北海油田がある。仏は原発を十分持っている。ドイツ・イタリアは、エネルギーはなく経済もロシアと関係が深い。EUでも英・仏と独伊では基本的にスタンスが違う。エネルギーを持っている国と持たざる国との溝である。
 いつも言っていることだが、日本は日本独自の立ち位置があってもいいのではないか。アメリカに同調してなにか得るものがあるのか。クリミア半島のロシア編入についてロシアが新たな軍事行動をとっただろうか。
 ウクライナ民族至上主義でかつてナチスヒットラーを支援したパステンバンドラ主義の流れをくむ連中が武力で作ったウクライナ政権である。これを頭から善と見るのはあさはかだと私は考える。
 とにかく日本は日本の立ち位置でプーチン大統領には「軍事行動を起こすな」、オバマ大統領には「ロシアの悪口ばかり言わないでここは話し合いだ」と仲介の労を取るべきである。
 日本とロシアで未解決で平和条約も締結されていないのは北方領土問題があるからだ。
 この北方領土も1945年4月のヤルタ会談で当時のアメリカルーズベルト、英国チャーチルがソ連(現ロシア)のスターリンに日本を攻めろ、そこで得た領土はソ連のものでよいと今に至っている。歴史の流れ、経緯をよく頭に入れて外交をしなくてはいけない。
 ウクライナ情勢でこれ以上アメリカ・英国に引きずられないことが日本の国益であることを頭に入れるべきである。
 朝の便で千歳から釧路に向い、後援者の告別式に参列し、また別の後援者の弔問をし、夕方東京に戻り18時からオーナー社長さんの集まりの勉強会で講演をする。
 「ロシアとどう向き合うのか」というタイトルだったので、私の認識・現状・受け止めを話す。皆さん理解して下さったと感じた。
 話す機会があることは有難い限りである。