沖縄普天間飛行場の移設予定とされる名護市辺野古の海には、絶滅の恐れが高いと言われるジュゴンが生息していることが明らかになっているが、そのジュゴンに対し、船が悪影響を及ぼす観察結果が出ているにもかかわらず、防衛省防衛局の環境影響評価(アセスメント)書には十分記載されていないと共同通信が伝えている。
 何故、正直に事実を記さないのか不思議である。こうしたことが不信感となってくる。
 特定秘密保護法からすれば、官僚が判断したことがまかり通る、「そこのけそこのけ」である。
 仲井真知事が埋め立て承認をしたら、心ある沖縄県民の魂の叫びは海上デモとなり、血の雨が降ることを私は懸念する。
自然と向き合い、自然に敬意を持って生きないと人類は滅びてしまうのである。
 安全保障における地政学上の沖縄の重要性は、誰よりも十分認識しているが、あの綺麗な辺野古の海を埋め立てなくとも普天間の代替えとして現在使っている嘉手納の一時的使用や、下地島の滑走路を使うとか知恵を出すべきではないか。普天間の運用をすぐやめさせることが先である。
 沖縄と20年、30年向き合ってきた政治家が、今の与党政治家で何人いるだろうか。
 たまたまポストに就いて沖縄を知った、言ってみれば「アマチュア」と言って良い人達ばかりでないか。
 私は中川一郎先生の秘書時代から沖縄の特産品である「さとうきび」の政府保証価格に始まり、沖縄振興予算、普天間飛行場の名護市移設に当時の比嘉市長とのかかわり、更に県道104号線越え米海兵隊の155ミリ榴弾砲実射訓練の北海道受け入れ、対馬丸発見、沖縄サミット決定と誰よりも沖縄県民の思い、心を理解してきた政治家として私は辺野古沖埋め立をしてはいけないと思っている。
 沖縄県民の心を踏みにじるような判断を仲井真知事がしないことを願ってやまない。
 24日、来年度予算の閣議決定、26日には総理・沖縄知事・キャロライン・ケネディ大使まで巻き込んでの記者会見等、政府は予定していると耳に入ってくるが、無駄なエネルギーは使わない方が良いと思うものである。
 昼の便で釧路から東京に戻り事務所で仕事をし、18時から神奈川県横須賀市で「ペルシャ湾掃海派遣の会」の毎年恒例の会に出席。
 今でこそPKO・緊急災害派遣等、自衛隊の海外での活動は珍しくないが、平成3年、湾岸戦争終了後、ペルシャ湾の機雷を除去するために海上自衛隊掃海部隊が派遣された。自衛隊が組織としてはじめて海外で活動した最初の出来事であった。
 当時、私は外務政務次官としてペルシャ湾で日の丸を背に、真っ黒に日焼けして頑張る海上自衛隊の皆さんの姿に、感激と心からの敬意を払ったものである。
あれから22年、派遣された皆さんは年一回、12月23日会を持っている。私も仲間に入れて戴き、出席するのを楽しみにして今年も懐かしいお顔に接し、改めて当時を想い起し、心からの感謝と敬意を払わせて戴いた。
 この掃海部隊の司令は落合氏であった。あの沖縄戦で「沖縄県民かく闘えて後世の皆さん沖縄県民に特別なご高配賜らんことを」と打電した太田実中将のご令息である。
ご縁・巡り合せ・人間関係のあやに、何とも言えぬものを感じてやまない。