新聞各紙は昨日、日本維新の会共同代表石原慎太郎氏が記者会見で徳洲会グループからの選挙資金の授受はなかったと明確に否定している。
 日刊スポーツが一番詳しく書いているので正確を記すため全文掲載したい。

 「慎太郎氏 猪瀬氏突き放す」「徳洲会問題『よく分からない』」 「徳田氏とは『絆』」
 日本維新の会の石原慎太郎共同代表は4日、国会内で記者会見し、自身が後継指名した東京都の猪瀬直樹都知事が医療法人徳洲会グループから5000万円を受け取っていた問題との関与を否定した。その上で「選挙資金は潤沢にあったはずですよ」と述べ、石原氏後継を名乗って徳洲会側に出向き、徳田毅衆院議員から金を受け取った猪瀬氏の行動に、疑問を投げかけた。
 「僕はそのままスタッフも引き継いだし、いくつか支援団体も協力してくれた」ことを理由に、猪瀬氏は選挙資金に困っていなかったはずとの見方を示した。「(同席した)一水会に連れられ、なぜ会いに行ったのかよく分からない」と、突き放した。石原氏がこの件に触れたのは、先月末の問題発覚後初めて。
 石原氏は、選挙違反事件の舞台になった徳洲会を率いた徳田虎雄・前理事長と、盟友関係で知られる。猪瀬氏への冷たい反応と対照的に、徳田氏との「絆」は隠さなかった。徳洲会との間の金銭授受は「ありません」とした上で、「選挙応援に何度か行きました。徳田は自民党に入るべき人間だったのに、入れなかった」と振り返り「日本の医者であれだけのことをやっている人間がいるか。おれは、日本のシュバイツァーだと思う」と述べた。(日刊スポーツ17面)
 石原氏の指摘通り、知事選挙に猪瀬氏個人のお金を使うことはない。石原知事後継として指名され、石原知事の政治団体をそのまま猪瀬氏が引き継いだのである。
 「僕の体制を引き継いだので潤沢な選挙資金があったはずだ。そんなにべらぼうに金がなんで(必要なのか)と述べた。(毎日新聞5面)


 石原氏の認識は正しい。猪瀬氏が記者会見でお金がいくらかかるか心配だったと述べたが、猪瀬氏個人のお金で済むような都知事選挙ではない。
 猪瀬氏の話は見え透いたたわごとと言って良い。政治をやっている人なら誰でもわかる常識である。この点だけでも猪瀬氏の人間性を疑いたい。
 いずれにせよ、徳田虎雄前理事長の奥さんも能宗元事務総長も逮捕され、おいおい真相が明らかになっていくことだろう。内輪もめほど複雑でやっかいなものはない。
 検察・警察のプロ職業人の腕前を示してほしいものである。