朝刊各紙は1面で、しかもトップで昨日の最高裁大法廷の「選挙は違憲状態だった」という判断を報じている。
 最高裁が違憲状態と判断するのは、一昨年に続いて2度目である。
 前回と違うのは合憲と判断した裁判官は1人もいなかったことである。
国民から選ばれた国会議員は速やかに今回の最高裁判決を受けて抜本的是正をすべきである。
昨日のムネオ日記でも触れたが、衆・参の国会議員が大胆な定数削減をし、それをもとに人口比で選挙区を作ればよいのである。
地方の議員が少なくなるという声が出るが、それは見識がない声である。
東京・大阪の大都会から歴史を作った政治家が出ただろうか。総理大臣が東京・大阪から何人出ているか。戦後、東京では鳩山一郎先生と菅直人の2人で、大阪はゼロである。
かつて田中角栄先生は新潟の国会議員は俺1人でいい、俺が責任を持って新潟を護ると言ったものだ。私の師匠であった中川一郎先生も北海道は中川一郎1人で十分だと豪語していた。それは限りない郷土愛と日本国に対する強い思いの表れであった。
誰が考えても公平の観点からも一票の価値は何人(なんびと)と言えども五分である。極力格差のない選挙区にするのが公平の原則ではないか。
 国権の最高機関である国会の国民から選ばれた衆・参国会議員はしっかり取り組み、一日も早い結論を出すべきではないか。
 特定秘密保護法案の審議が行われているが、衆議院では与党議員の出席が少なく、野党側からクレームが付いたという。委員会は委員の2分の1以上いないと開会できない規則になっている。
野党側が少ないのならいざ知らず、法案を出し内閣を作っている与党の出席がないとは何と言う体たらくか。真剣さが伝わってこない。にもかかわらず、来週にも採決とのことである。何か歯車がくるっている。
 今、世界は帝国主義の流れであるが、日本もかと憂いざるを得ない。心ある数多くの政治家の出現を期待してやまない。
 昨日の東京新聞29面、こちら特報部、斉藤美奈子さんの本音のコラム「生殺与奪の権」が言い得て妙である。全文読者の皆さんに紹介したい。
 「今週がヤマ場とされる特定秘密保護法案。ことはなんだが関ヶ原の合戦の様相を帯びてきた。
 通常国会は与党と野党の対決のはずだけど、与党の軍門に下るみんなの党、いつ寝返るとも限らぬ日本維新の会、対案に固執し小早川秀秋よろしく右往左往する民主党。こうなると永田町対国民&メディアの攻防に近い。
 在京6紙中、毎日・東京・朝日・日経の4紙は反対表明。大方の地方紙も反対に回る今、態度不鮮明なのは政府方針に忠実な産経新聞と読売新聞だけ。が、その産経も「知る権利・報道の自由」に言及し(8日社説)、読売も法案への懸念を示さざるを得なかった(17日社説)。遅きに失したとはいえ、少なくとも早期可決を後押しする大新聞は今のところ1紙もないのだ。お尻の重いますメディアを、世論が動かしたのさ。
 たしかに与党は数の上では圧勝だ。でも武将の質を見てごらん。特別委員会で答弁に立つ森雅子担当相は国会審議だけの代役で、いわば臨時雇いのバイトだし、軍師のはずの菅義偉官房長官は他の業務(NSC法案)で忙しく、総大将の安倍晋三首相は審議の前線に姿も見せない。こんなだらけた軍勢に法案を通す資格があるだろうか。
 強行採決なんかしたら後が怖いぞ。議員各位も関ヶ原後をよーく考えた方がいい。悪いけど、生殺与奪の権はこっちにあるのだ。」
 的を得た、わかりやすい指摘である。国会議員の皆さんはよくよく考えてほしい。
 朝の6時55分発の便で、女満別に飛び9時半から美幌町で大変お世話になった方の告別祭に参列し、最後のお別れをする。大事な人が旅立つことは、なんともいいようのない思いである。
夕方の便で東京に戻る。