昨日の埼玉・千葉を襲った竜巻を報道で見ながら、改めて自然のエネルギーの凄さに驚くものである。被害に遭われた皆様に心からのお見舞いを申し上げる次第である。
 私の秘書に埼玉県松伏町出身者がいるが、幸い近くを通り過ぎて難を逃れたとのことだった。これも微妙な自然のあやである。
改めてケガをされた方、被害を受けた方に一日も早いご全快とお見舞いを重ねて申し上げたい。
 2006年11月7日、北海道網走管内佐呂間町若佐地区で竜巻が起き9人死亡したことを想い出しながら、気象庁によると異常気象が原因と言う見方もあり「備えあれば」と言うものでもない。災害はいつやって来るか、何が起きるか判らない難しさがある。自然の成せる力に人間は弱いものだと痛感するのみである。
 昨日のムネオ日記で北方領土解決について私の認識を示させて戴いたが、今日の産経新聞正論で木村汎北海道大学名誉教授は北方ビジネスと言われる学者よろしく思い込みの強い主張をされている。
正確を記すため一部文章を載せたい。
 
「『3島論』や『島の共同経済開発論』を唱える森喜朗元首相を特使としてモスクワに派遣したこと。そして、4島返還はもはや無理と説く人物の内閣参与への起用、プーチン氏が『面積等分』に言及したことを早速、リークした側近に対するお咎(とが)めなし、等々である」
 木村汎氏は森元首相の考えを正確に承知してものを言っているのだろうか。
「外務省に指示」は遅延戦術・2島論「確信犯」プーチン氏とも決めつけているが、木村氏の話は北方領土返還運動のレベルで「返還交渉」の話ではない。運動レベルの無責任な話ではなく、責任ある政治家は交渉して結果を出すしかないのである。
森元首相は北方四島を解決するためには最高首脳同士が信頼関係を築くことが一番だといつも言っている。
昨日の北海道新聞4面に次のように述べている。

「安倍晋三首相には、各国の首脳が集まる国際会議やいろいろな機会を通じ、立ち話でもいいから必ずプーチン大統領と話し合うべきだと伝えています。日本から間断なく行動を起こすことが、ロシアに対する誠意を示すことになる。首脳同士が『やあ、このあいだの話はここまで進んだから、次はこれをやろう』と、親しい関係を作ることが大事です。」

これに沿って今何が出来るか、次に何が出来るか、両国の外務省に両国の最高首脳が指示するのは当然ではないか。
いつも言うことだが、国家主権・就中(なかんずく)領土問題はお互いの名誉と尊厳、国益がかかっている。
北方領土問題が解決しない方が自分達にとって都合が良いと考える「北方ビジネス」と言われる一部学者が、さもさものように間違った筋論を披歴することが一番の害である。国益を損ねるものと断じたい。
木村氏の考え、主張を一億回繰り返しても北方領土問題は解決しない。外交には相手がある。その中で率直に胸襟(きょうきん)開いて話し合って行くしかない。
ソ連時代からの頭作り、硬直した見方では前に進まない。現実的解決に向けて行動するしかない。
戦後68年経ち、今だ解決しない北方領土である。元島民の皆さんにこれから又、68年待てと言えるのか。
木村氏に言いたい。あなたの過去については明日詳しくムネオ日記に載せたい。