麻生太郎副総理が7月29日、桜井よし子氏が理事長を務める「国家基本問題研究所」のシンポジュウムで、「ある日気づいたらワイマール憲法が変わってナチス憲法に変わっていた。誰も気づかないで変わった。あの手口に学んだらどうかね」と語り、報道によると次のようにも言っている。
「ドイツ ヒトラーは民主主義によってきちんとした議会で多数を握ってヒトラー出て来たんですよ。ヒトラーはいかにも軍事力で(政権を)取ったように思われる。全然違いますよ。ヒトラーは選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違わないでください」。
どんなつもりであのナチスの例えを引用したのか。ナチスもびっくりだろう。当然国内はもとより、国際社会からも強い反発が出た。
 米国の代表的ユダヤ人人権団体「サイモン・ウイーゼンタル・センター」は30日「真実を明確に説明せよ」と強く指摘。
韓国外交省の趙泰永報道官は「こうした発言が過去に日本の帝国主義による侵略の被害に遭った周辺国の国民にどう映るかは明白だ。多くの人を傷つけるのは明らかだ」と批判。
中国外務省の洪磊副報道局長も31日、「日本の進む方向にアジア諸と国際社会の警戒を呼び起こさないわけにはいかない」との談話を出した。
 ドイツの週刊誌ツアイト(電子版)は31日「日本の財務省がナチスの改革を手本に」と言う見出しで発言を伝えた。同センターなどの反応を伝え「ナチスの時代を肯定する発言で国際的な怒りを買った」とした。(以上 朝日デジタルより)。
ロシアも今のところ国営放送が反応している。第2次大戦で2000万人とも3000万ものロシア人がナチスにより被害を受けている。
「日本政府の中に、しかも1年しかしていないとは言え、総理大臣までやった人の発言か」と怒りと慰ぶかしげに言ってくるロシア関係者もいた。
ナチスみたいなことを日本は考えているのかと受け止められると、麻生発言は日露交渉にも大きな影響を与えてしまう。
 麻生氏は1日午前、憲法改正を巡ってナチス政権を引き合いに「手口に学んだらどうか」などと発言したことについて「誤解を招く結果となったので撤回したい」と述べている。これもおかしな話だ。撤回とは口先だけのことだ。ナチスの例えは申し訳ないとお詫びが先である。なぜ潔くお詫びをしないのか。ここがポイントである。
私の処にも国際ユダヤ系の人達から怒りの声が寄せられた。今後の推移を見守りたい。