2013年6月2日(日)
 知床横断道(国道334号)が7か月ぶりに開通した。今年は寒さのせいで、例年はゴールデンウィーク前後に開通するのだが、1989年以降、最も遅い開通となった。
 この知床峠は、根室管内羅臼町と網走管内斜里町を結ぶ道路で、峠の頂上から国後島が手に取るように見える。
 5月17日、国後側から私は雪の残っている知床連山を見たが、知床は世界自然遺産になっている。
 北方四島も同じ生態系自然である。次に私は日露両国一緒に、世界遺産登録に向け協力し合えばと進言したが、ロシアに実効支配されている北方領土を一緒に申請することはできませんと当時、外務官僚に断られたものだ。
 文化を、自然を大切にするとの思いは、日本、ロシアに共通するものだと思いながら、外務官僚の説明に仕方なく服したが、世界自然遺産登録が知床と北方四島同時に認められたら、文化面での大きな両国の関係が図られ、そのことが北方領土問題解決の前進にもつながると思って進言した。
 今でもあの時の光景を想い出しながら、せっかくのチャンスを無にしてしまった。
 外務官僚の説明は不作為だと思っている。過ぎた話ではあるが、読者の皆さんに おわかり戴ければ幸いである。
 自由民主党の新人議員が1,2日と根室市と根室管内羅臼町で北方領土研修会を行ったと地元で報道されている。
 地元市長や町長のお話、元島民の話もいいが、本当に領土問題を勉強するなら、鈴木宗男を呼ぶくらいの腹がなくてはいけない。
 新人議員には、北方領土問題、平和条約交渉の正確な認識と歴史的経緯、変化をしっかり頭に入れて欲しい。
 外交は積み重ねであり、約束を守る事である。ソ連時代とロシアになってから政府は左ボックスから右ボックスに変わる位の政策転換をしている事を先ず理解することだ。どの様な研修であったか知る由もないが、誰よりも北方領土解決に向き合って来た者として、若い人が基礎体力をつけてくれることを願うのみである。
 北海道も先週からやっと春到来の感を深くし、特に週末から道内各地で真夏日を観測している。自然のなせることではあるが、お蔭で、農家はじめすべての人が自然の恵みに感謝していることだろう。
 日本中が今年も豊作で、五穀豊穣を願ってやまない。