ガッツジュン 第1話 宿敵のスラッガー(後編)
「あのマウンドへ立つ」
純の目的は、
甲子園に出て、マウンド上にいる自分を見て、
まだ見ぬ父と出会う事だったハズだった
が…
この後、夏の甲子園には出場するけど、
お父さんネタには触れられず、
純のエラーでサヨナラ負けすることの方に
ストーリーの重点を置いてしまっていた。
挿入歌『ひとりぼっちのマウンド』でも歌われているのに…。
ちなみにこの曲、藤間文彦さん自ら歌ってます。
主題歌『ガッツジュン』も、歌 藤間文彦 って明記されているけど、
ハニーナイツのコーラスにかき消されてしまって、よく聞こえない。
このテの
「歌っているけど、聞こえない」系主題歌は、
歌っている人がイマイチ
というのがほとんどだけど、
藤間さんは歌も上手いです
和歌山国体編で、
純が投げてるシーンで、ほぼフルコーラス流れるけど、
いい声だな~ 歌上手いな~
と思い、CD欲しい となったぐらいで。
名雄高校野球部に、ひとりの監督が就任した。
その名は萩原哲雄。
野球部部長・平賀敏樹(瑳川哲朗氏)の後輩である。
(のちのTACの隊長の後輩が、のちのマスターアジアって… 強いワケだわ)
萩原を演じるのは、宣弘社作品ほとんど全部に出ている
秋元羊介氏、のちの東方不敗・マスターアジアである。
「だからオマエはバカなのじゃーーーー」
と言ってくれるんじゃないかと、密かに期待したけど、
最終回の1回前に、
「バカモノーーー」
と言ったのが、一番近かった(笑)
宣弘社作品ほとんど全部出ている、といえば
このエース大野卓也役の日吉としやす氏もそう。
元々野球が得意だったそうで、70年代~80年代初期野球物には全部出ているし、
特撮物でゲスト出演する際は、
大概、野球選手か監督・コーチ役。
しかも、サウスポー。
バトルフィーバーJのヒダリテ怪人編や、
デンジマンの草間投手、
バイオマンの明立高校野球部監督とか、
有名なところでは、『レッドビッキーズ』のコーチ。
俳優引退後も、レッドビッキーズと試合をしたい
と熱望され、地元野球チームと対戦したこともあったそうだ。
本当に野球が得意なんだなー、
と思ったのは、ランナーが出た際、
セットから、ランナーを横目でチラチラ見ながら、
クイックで投げるシーン。
役者が芝居で演じている
んじゃなくて、
本当に野球をやっている
というガチ感がスゴイ。
満塁でも、ワインドアップで投げるシーンがあるが、
これも台本に書いてあったかどうか、
というより、本人が
こういう状況だったら、自分ならワインドアップで投げる
と言って、やったんじゃないかと想像する。
紅白戦のシーンでも、
大野が投げた球が、そのままミットにおさまるシーンを
1カットで撮っている。
まあ、さすがに本物のマウンドとキャッチャーの距離(18.44)では投げていないだろうけど、サクっとそういうシーンができるあたりが、やっぱりスゴイ。
『仮面ライダーV3』の主役候補にもなっていたそうで、
もし、そうなっていたら、この方の知名度は、違っていたと思う。
純とは違ったタイプのイケメンで、
この人も非常にもったいない、と思っている。
また、魔球編終了とともに消えてしまった2人のキャラ。
スカウトマンの西田(梶健司氏)と石井(垂水悟郎氏)
垂水悟郎氏と言えば、もちろん『フラッシュマン』レッドフラッシュ・ジン(垂水藤太氏)のお父様です。
この2人が謎な雰囲気で、
実はどっちかが純の父親では
と思っていたのだが、
1クールで消えたので、そうではなかったらしい。
スカウトマン という存在も珍しい設定だったので、
消えてしまったのは惜しい。
この作品が結果的にヒットしなかったのは、
随所にこういう「もったいない」キャラ使いがあったからでは
と個人的に思ったりする。
1クールで消えると言えば、
純の新聞配達。
プーコにも、第1話で
「野球に専念したら」
と言われているので、きっとやめたのだろう。
また、この純の部屋の間取りも、1クールで変更される。
ここでは、机の後ろが壁なのに、
後期は、机の右側が壁で、左にベッドがある。
1クールでは、ドアを開けて入っていたのに、
その後は、暖簾に変わっている(リフォームしたとか…ネ~)
もっとも、部屋の間取りが変わるのは、この作品のみならず、
『ウルトラマンレオ』のおおとりゲンの部屋もちょいちょい変わっていたので、
スクリプターは何をやっていたんだ
とか…
新入部員テストで、
最後まで立っていられたのは、川越守人(小野進也氏)と大野だけだったという事だが、
純は、入部テストに合格する。
この入部テストのシーンで、一年生はノックを受けまくり、
本間(清宮達夫のちの南城竜也氏)
野島(畠山麦氏)も
ボロボロになっていくのだが、
純はそれらをことごとくキャッチしていく。
大野が
「ピッチャー大野」
と球を投げ、投げ返した純に、すかさず川越が、
「ファースト川越」
と、大野の頭越しに投げるのだが、
このシーンで、瞬時にしゃがむ大野のシーンがカッコ良くて、
本物の野球で、キャッチャーが2塁に牽制球を投げる際、
投手が瞬間しゃがむシーンを思い浮かべて、
別に、船床監督、野球知らないワケではないんじゃない
と思ったのだが、偶然の賜物だったのだろうか
純と川越は、純がまだ中学生の時に、
川原で投球練習をしている純に、川越が挑み、
その際、打たれていたので、そのお返しをしたかった、
というもの。
こういうシーンの、表情がイイ
あと野球シーンではないが、
純達の授業風景が出る。
「授業中、居眠りしても、絶対起こしてやらないから」
と言ったプーコの方が寝ていて、
純は一生懸命プーコを起こそうとする。
本間から回ってきた紙切れに、
「レギュラーと新入生の紅白戦あり。
白組先発は君!
本間情報局」
と書かれているのを読んだ純は、
つい
「ヤッホー」
と叫んでしまう。
この声に目覚めたプーコが、いきなり立ち上がり、
見当違いの教科書音読を始めるシーンは、
意味がよくわからない…
普通、このテのシーンで、授業中寝ているのは主人公なのだが、
この作品では、純のガールフレンドのプーコが寝ているという、
この男女逆転ヴァージョンも面白いと思った。
「野球しっかりネ」
と教師にツボをつかれ、
「ハイ…」
と、頭をかく純。
純が投げた球(光学処理されている)は、この回全部コレ。
第1話のラストは、このような挑戦的な表情で終わる。
(ちょっと小平次入っているかもー)
川越へ投げた1球のシーンで つづく…
面白いし、みんなイケメンだし、カッコイイし、野球好きだし、
で、なんかワクワクしてしまった第1話だった(ガッツ)