あの時こそ、長男がずっと今まで抑えていた心の叫びを吐き出すことができた瞬間だったのだ。


私は、自分がそうするつもりではなくても
長男を深く傷つけてしまったことを
即座に受け止めることができた。


私の中で少し前にそういったことを
考えるチャンスを与えられていたからだと思う。


もし、そのことがなかったら
私は素直にそれを認めて受け入れることが
できていたか、自信がない。

きっと、取り繕って言い訳して
もっと長男の気持ちを冷めたものにしたに違いない。

そんな気がする。




「ごめんね、お母さんを許して」


私はこの言葉を発したと同時に泣いていた。

「お母さんもね、お母さんのお母さんから子どものとき あんたとおんなじようなことされてきて、ほんと嫌だった。自分はそんな親には絶対なるまいと思ってたのに
そんなことするつもりなかったけど、あんたにおんなじことしてしまった、ごめん許して」



泣きながら長男に謝っていた。


子どもだった私も、母に泣きながらそんなふうに「お母さん、嫌だった」とか言いたかったんだろうな、と今だから そうも思う。



そう言ったときの

長男の驚いたような、なんともいえないようなあの表情を忘れられない。


それ以上 長男は何も言わなかった。



私は長男に「ごめんね」と言える最初のチャンスを与えてもらったんだな

とそう思っている。


それからどのくらいしてか、半年後位だったろうか、

私の再婚によって 長男の状況もまた変わることになる。







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