ストーンヘンジ-失われた者の記憶
三森至樹
イングランド南部のソールズベリ
広々と広がる草原の丘に
ポツンと立つストーンヘンジ
しかし近づくと巨大な石の柱が林立して
丸く輪になって屹立する
壮大な光景だ
これは五千年の昔に
古代ブリトン人たちが建てたものだという
しかし彼らは四千年前には滅んでいなくなった
大陸からより進んだ文明を持つ民族が押し寄せたためだ
ストーンヘンジは滅びたブリトンの民が存在した証となった
ストーンヘンジは静かにとこしえに立ち続け
失われた者の記憶を語っている
翻ってウクライナ
自分たちの支配を確立しようと
他国の地で戦いに戦い続けたロシアの軍隊は
もうすぐいなくなるのだろう
破壊され、荒廃した街々の残骸を後に残して
また不合理な野望に駆り立てられたあの強力な君主も
やがていなくなる
彼らの悲惨な試みもまたやがては歴史の中で
失われた者の記憶として残るのだろうか
ただ今はまだ
戦いが終わるのは遠いのか
もうすぐなのかは分からない
しかしすぐだとしても
その後のことはだれが知ろうか