今年のノーベル平和賞

　今年のノーベル平和賞に、中国の民主活動家劉暁波氏が選ばれたそうだ。
　この劉氏は、天安門事件のときの民主化運動に加わった一人で、その後中国国内で、共産党の一党独裁の体制を批判する運動をしていて、去年から「国家反逆罪」で刑務所に入れられている人物とのこと。
　まあよく思い切ったものだと思う。大国中国を向こうに回して、その横っ面を張るような快挙だね。
　そもそも中国はおかしな国で、国内では共産党一党独裁の恐怖政治をしいていながら、対外的には「自由貿易」だと言っている。経済は「自由」だけれど、政治的には「自由」ではないわけだ。
　チベットの問題とか、尖閣諸島の問題とかで、この矛盾がだんだん大きく口を開けてきているような感じのところへ持ってきて、このノーベル賞の話だ。
　ノーベル平和賞は、他のノーベル賞とは違って、過去の業績に対する評価というより、未来に向かっての指標を示すものだと言う。そうだとすれば、今回のノーベル平和賞は、大当たりと言うべきだろうと思う。