わたしの場合霊示は常に、顕示的なもの(幽霊とか、超自然的な現象とか)によらず、暗示(偶然の一致)によって起こるもののようだ。
 たとえば、先日までいつもと変わらず授業を受けていた生徒が突然辞めることになった。また、いつも行きつけにしていた食堂が急に閉鎖されていた。こういう「思いがけない消滅」ということが続くと、わたしは何かを感じずにはいられない。
 しかしその本当の意味は、それが起こっているときにすぐ分かるわけではない。後になって「ああ、そうだったのか」と気づくことがある。
 結局わたしにはいわゆる霊能力はないということだ。