超人バロム1 アクション用ラテックスマスク | 特撮PROP COLLECTION

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特撮ヒーローのマスクや小道具などについて呟いて行きます。


超人バロム1のアクション用ラテックスマスクです。
1972年放映の特撮テレビドラマにて使用されたマスクです。
このマスクの存在自体はかなり昔に聞いた事がありました。

現在の所有者は「白鳥健太郎」役の高野浩幸氏です。
所有されている経緯はなかなか面白いのですが、
ここでは書かないでおきます。


ラテックスマスクは劣化のパターンがあって、ベタベタになるのと
乾燥してヒビ割れるパターンに分かれます。
バロム1は後者ですね。
まずは正面から。自然光での撮影なので少々ピンが甘いです。
下面的な物も一体化しています。



表面に細かいヒビが全体的に入っています。
塗装も当時のままで、パール塗装も残っています。



Bの部分、赤い矢印の左右に分割ラインがあります。
このつなぎ目はMOOK本等で確認出来ます。
当時のメイキング写真を見ても、同じ部分がパテで修正されています。





マスクの修正跡を見ると、型が何分割なのか想像出来ます。
恐らく三分割なのでしょう。
パテでの修正箇所が思いのほか少ないです。



バロム1の特徴的な、ウイングと言いますか耳の部分ですが
熱を加えて修正すれば元に戻せるらしいのですが、
今はあえてそのままになっています。



こちらはフラッシュ撮影された画像。
細かいディティールもハッキリ分かります。



オリジナルプロップはこんなに劣化していても、風格が感じられます。
下顎と後頭部の色は「変わってしまった」とかではなく、
「敢えて変えてある」と言うのが分かりますね。
同じ色で塗った方が楽な訳ですから、、。



ラテックスマスクなのにこれだけエッジが立っているのは驚きです。
当時の技術の高さが分かります。



現存していないと言われていた下顎も、このとおり残っています。
こちらもライダーマスクのクラッシャーのように鼻に触れるぐらいの
大きさが有ります。
マスクに完全に固定されています。



覗き穴の紗幕も破れずに奇麗に残っています。
色も当時のままのエンジ色ですね(^_^)



後頭部。
独特のライン処理です。
後頭部もマスク本体色とは別の色で塗装してあります。
一番鮮やかなスカイブルーは下顎と同じ色ですね。
恐らく「同じ色で塗ってもつまらない」という発想からでしょう。



劣化はしていても、見事な造形です。
45年も前の造形物がまだこうして残っている事に感動を覚えます。
恐らく現存する当時のマスクとしてはこれひとつだと思います。

貴重な資料を見る機会を与えて下さった高野さんと、友人BUNさんに感謝いたします。