立体資料集の旧1号 | 特撮PROP COLLECTION

特撮PROP COLLECTION

特撮ヒーローのマスクや小道具などについて呟いて行きます。




自分が所有していたフォーエバー版のパンサースーツ。
現在は手元にありませんが、これはヤフオクで買った物です。

ムービープロップと同じ材質(フォームラバー製)で
当時、かなりしました。
このスーツサイズの物を焼ける窯が日本には無いので、
アメリカ製の物が主流でした。
ラテックス製の物は最近出回っていますが、だいたい25万前後。
その3倍以上の金額を出して、
パーツがバラバラの状態で購入しました。
それを3ミリ厚のウェットスーツに貼って完成させたものです。
ブーツカバーと手袋は知り合いに作って頂きました。




今回は、このバットスーツの出品者 "Y本氏" の話です。

横浜の自宅の方に直接バットスーツを取りに行ったのが縁で
短い間付き合いのあった人物です。
(短い間と言っても、何年かは付き合いがありました)
この "Y本氏" は横浜で輸入業をしているため、海外のディーラーから
直接プロップやプロップレプリカ等を買い付けしていたようです。
その関連でバットマンコレクターの "桂正和"氏とも
親交がありました。

「桂氏に頼めば欲しいT映系のヒーロー何でも頼めますよ、
            ただし何百万単位掛かりますけど、、。」

なんてことサラリと言うおぼっちゃんでした。
育ちがいいのか、のほほんとしていてあのアメリカ帰りのOW田氏に
似ているなーと言うのが第一印象です。
知り合った当時、童顔なのかも知れませんが20代前半に見えました。


もう、何年前になるでしょうか、、?

Yahoo Auction に "立体資料集の旧1号マスク" が、
"撮影に使われた旧1号マスク"として出品された事があります。
当時のブーツ、グローブ付きで、探せばスーツも見つかるかも
知れませんとの記述でした。



オークションの写真が暗くて良く分からない画像で、
マスクの状態もボロボロでした。
Q&A の数も凄かったと記憶しています。
自分としては金額的に見合わないマスクであると判断していて、
オークションは気に留めていませんでした。

そんなある日、Y本氏から電話が掛かって来ました。
「今、撮影用の旧1号のマスクが出てるんですが見ましたか?」
との内容。
自分はあれは撮影用ではあるが、雑誌の撮影に使った物だという
情報を伝えました。
しかし時すでに遅く、彼がもう100万越えで落札してしまった
というではありませんか!!
まあ、落札してしまった物は仕方ないので、今後の値引き交渉と
段取りを伝えて本人に取引終了するように伝えました。

出品していた方は立体資料集の編集に関わった方だったようで、
売れば少しでも金になるだろうと言う事で出品したようでした。
当時の撮影用では無いとの旨を伝えて値引き交渉に成功して、
結果、金額は半額以下になりました。
オークションシステム使用料がかからなかった頃だから出来た
事だと思います。
更に色々とおまけも付けてくれると言うので、
結果的に  "良い買い物" だったと思います。
旧1号マスクにベルト、手袋、ブーツの他にショッカーベルト、
他に昔のセル画なども貰えたようです。

ただひとつ問題がありました。
"マスクの状態が非常に悪く、レストアしないと鑑賞に堪えない"
事です。

持ち主が立体資料集の撮影後、自宅の物置に放りこんで大事に
保管していなかったのが原因だと思われます。
彼の周りにレストア出来る人間が居なかったので、
自分が改修してあげることになりました。勿論 "有償" で、です。

その旧1号の写真ですが、改修前も後もまったく撮っていません。
言葉で説明だけしか出来ませんが、資料写真を撮っておくような
ものでは無かったのです。
まず、マスクの状態です。
Cアイが両方外れていて、Cアイの取付け部分付近の欠け、
後頭部に亀裂と割れ、そしてクラッシャー部分の欠けなど
とても悲惨なものでした。
Cアイは既に飴色に変色していましたね、、、。
マスクの色も想像していた物とは違い、全体的にメタリックな
感じでした。
マスク本体がメタリックブルー系で、クラッシャーは銀を吹いた
上から薄黄緑色のクリアーにて塗装されていました。
マスクの色としてはこんな感じの色味です。



クラッシャー部分はこんな感じの色味です。
想像して下さい、、。



それが 写真ではあんな風に見えるのですから、不思議なものです。
立体資料集を出した当時、色に関しての説明が全くされていません。
製作した西村氏も色に関しては全くの手探りだったと推測されます。
この頃 、今は定番になっている"パールが吹いてある" という事実が
まだ判明していなかったからだと思われます。

「ヒーロー考証学」あたりか、メガソフビのライダーが出たあたりで
ベースカラーの上にパールを吹くという記述が出て来たと思います。



こちらは立体資料集のベルトですが、一部レストアしたので
資料として写真を撮っておきました。



ベルトは既に黄ばんでしまっています。



飾りボタンや、エナジーコンバーターなどオリジナルからの
レプリカなのでかなりリアルです。
T映ヒーローネットの物とはレベルが違います。



そもそも、根本的にタイフーンやエナジーコンバーターの
形から大きさまでヒーローネットの物と全く違っています。
本物がT映に無いのだから仕方のないことですけど、、。



ちなみに裏側はこんな感じです。
当時も同じ作りだったと思われます。


その後、Y氏もマスク熱が冷めてオークションにて転売、、。
マスクと手袋ブーツセットで元を取ってしまいました。
べルトもそこそこの金額が付いたと思います。
アトラク用のギャバンの本物を彼の熱意に絆されて
譲っていたのですが、こちらもあえなく転売、、。
やっぱり似たタイプの人は同じ事をするんだなぁ、、。と、
つくづく思いました。


現在、彼とは音信不通です。