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走るひとの日々雑感

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安部公房の「飢餓同盟」を読んだ。
戦後いろんな事が変わったけど、まだまだ旧来からの勢力が町を仕切ってる田舎が舞台。架空の名称を与えられているが、描写から雪の多い東北の片田舎と僕は想像した。
底辺に蠢く者たち、あるいは現状に鬱屈した勤め人たちが、一発逆転を狙って発電に夢を託す。山師の真似事。
出てくる道具や人間が面白い。ドイツ科学によって人間地下探査機となった者、悲惨な少年時代を送り復讐にとりつかれた者、理想と現実のギャップに鬱屈するインテリ医者。廃バスに住む人形劇師。
安部公房自身、戦後の一時期は食うや食わずだったらしい。それぞれが、持てる能力と資本で必死に食っていた様子が安部流の洒落た言い回しに飾られながら展開する。

やはりアートっぽい。時折挿入される訓話、教訓。哲学的考察を促すフレーズ。

「20世紀は電力の世紀っていうじゃないか」一発逆転をかけた仕掛けが電力、しかも地熱発電だったことに、現在に生きる僕らは痛烈な皮肉に晒されている気がする。