新国立劇場での、歌舞伎名作入門に行ってきました。
演目は「夏祭浪花鑑」だけですが、始めに解説が付いたりして楽しい演出です。
団七九郎兵衛には彦三郎、一寸徳兵衛は坂東亀蔵、三河屋義平次は片岡亀蔵とはアグレッシブ。
既に幕が開いていて、住吉鳥居前がセットアップ(撮影可)。 短くても花道があるのが、中劇場の工夫。
花道から、今日も暑いですねと、うちわぱたぱたで、片岡亀蔵が登場。 ここは、普段通りのしゃべり方。
そこに、登場キャラを書いた大うちわを持って、名題下の役者さんたちが次々と登場。
団七、お梶、磯之丞、徳兵衛、お辰などが、順番に解説されます。 なになに、義平次の役者は大変だって。
のんびり語っていると、道の邪魔じゃ、いにさらせって。 おお、こわ。 こりゃ、松四朗か。
それで幕が閉まっても、亀蔵がまだ続ける。 見どころは、かっこよさ、女の意気地、泥まみれの死闘です。
では、続いて、「住吉鳥居前」の場から。
団七を迎えに来た釣船三婦は、豪快な中に丁寧さが出てきた男女蔵。 彌十郎や鴈治郎より、大味気味。
対するお梶は、めずらしい宗之助で、細かな動きが紀伊国屋の味わい。 涼やかな声が気持いい。
さて、団七は彦三郎。 月代ぼうぼうの髭面で、しょぼんとした様がいかにも哀れ。
それが、きれいさっぱり男を磨いて、わしでごんす~と、すっと現れるのがかっこいい。
(ちょい悪)浪花ことばがたっぷりの「夏祭」。 ことばをしっかり使いこなす人、変なアクセントが気になる人。
それから、ことばの良し悪しより雰囲気をしっかり出す人。 彦三郎はこのタイプで、しっくりとはまっています。
いつもの時代がかった演技より、大げさに飛び出るのが目立つ。 現代味を感じる団七が個性的。
それから、少ない出番でも目立つのが、下剃の鷹之資。 役人は松江で、大鳥は松之助。 さあ、どうなる。