東京での仕事の合間、鈴本演芸場に行ってきました。
トリは、柳家さん喬の三番弟子、喬之助です。 体育会系の大きな声で、歯切れよくすっきり話す人。
ネタは、「抜け雀」。 一文無しの絵師に、宿代代わりに衝立に、変な絵描かれて、預けておくぞって。
ところが、何とこれが。 宿屋の亭主の弱りようから浮かれようまで、応援したくなるキャラがおもしろい。
甚五郎を思い出す、おとぼけ絵師と、その未熟さを指摘するお父さんの貫禄が、はっきり。
雀が出たり入ったりの描写がうまい。 駕籠かきのくすぐりがサゲに繋がって、気持ちのいい30分でした。
今日は、お馴染みのネタを、名人たちが個性的に話すのがうれしい。
燕路は、「粗忽の釘」を、長屋の雰囲気たっぷりに。 今日は荒い方の文菊は、「初天神」で大ぶりに。
今松は、「替り目」で、しっとりと。 金馬の「ふぐ鍋」に、会話の出し入れの妙。 ああ、おいしそう。
代演の正蔵は、ちょっと変わったところで、「松山鏡」。 絶妙の間合いに、わくわくしながら聞きほれます。
いつも変っているのが、小ゑん。 新作ながらスタンダードになりつつある、「ミステリーな午後」が謎だらけ。
色物では、ロケット団の毒毒ネタに、びくびくの大笑い。橘之助の弟子で行儀いい、あまねの民謡が新鮮。
大好きな、にゃん子金魚は、いつも以上の弾けぶり。 差し入れのバナナも入って、おめでたい大騒ぎ。
お正月が過ぎて、落ち着いてきた上野界隈。 満員近くの演芸場は、熱く盛り上がりました。