歌舞伎座で團十郎の法楽舞 | 宗方玲・詩人が語る京都と歌舞伎

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歌舞伎座の七月大歌舞伎、夜の部のキリは「鎌倉八幡宮静の法楽舞」です。

九世・團十郎没後120年を飾る、華やかな舞踊。 九世選定の新歌舞伎十八番の、「静の法楽舞」が原作。

 

鎌倉の外れの荒れ寺に、魑魅魍魎を退散させるべくやって来た、種之助、廣松、男寅、玉太郎の僧。

夜が更けてぬっと出てきたのが、荒れ寺の主の老女。 この舞に合わせて、出てくる物の怪たち。

 

姑獲鳥は児太郎、蛇骨婆は九團次、続いて登場の提灯に新之助とは、こりゃ怖くて楽しい。

老女の次は、狐の白蔵主。 團十郎による七役の踊り分けは、七つ面と同様、團十郎が光る演目です。

 

そこに、ぼたんの三ツ目。 今回は、團十郎ならではの企画で、親子3人の共演なんです。

続いて、おとぼけの油坊主。 團十郎が船頭に替わると、新之助の若船頭と、ぼたんの町娘が登場。

 

ここで、児太郎と九團次が入っての、5人の踊りが楽しい。 

今回は、河東節、常磐津、清元、竹本、長唄囃子が、交互やらアンサンブルやらで、こらまた楽しい。

 

「賤や賤 しずの苧環繰り返し 昔をいまに なすよしもがな」

鐘の音が響く中、静御前が現れて、法楽舞を披露する。 そこに、團十郎早替りの義経。

 

段々と怪しくなって、どろどろどろ、静御前は化生の姿に。 あっ、鎌倉が大ピンチ。

でも、大丈夫。 ぼたんと新之助が、女暫風の二宮姫と暫風の竹抜五郎に扮して、押し戻してくれました。

 

ぼたんと新之助は、まだまだ勉強中だとして、九代目を偲ばせるには十分な、当代の大きさでした。