恵比寿映像祭の、「Technology? ーテクノロジー?」の続きです。
点滅するディスプレイと、突き刺さる単管パイプ。 そこにある、ベーコンのような断末魔。
本来のテクノロジーからはみ出して、映像の存在感を示すのは、Houxo QUEだ。
闇の中で、奇妙にシンクロしながら動く、2人の人、 越田乃梨子の作品です。
2台のカメラを表裏に配して、同じ空間のひとつの出来事が、異なる時間軸で動いていく。
平均台、壁、箱の世界で展開する、空間と時間の感覚がユニーク。
ちょっと、外の空気を感じながら、休憩しましょう。
次は、地下に。 ここでは、レトロなテクノロジーが。 築地仁の、80年代の白黒写真集。
高層ビル、工場、橋脚など、大規模建造物を収めた、正方形のフォーマットが活き活き。
同じフォーマットでも、こちらは北代省三の作品。 ヘリコプターから空撮した、50年代の白黒映像です。
エメット・ゴーウィンの「ソルトン海の縁」は、地球の表情を捉えた航空写真。
顕微鏡標本専門家の、夫へのオマージュ。 ロール・アルバン=ギヨーのポートフォリオが、やさしい。
温かみの中に、静物写真のようなポートレイト。 極端なクローズアップが、エンネ・ビアマンの人物画。
山沢栄子の、抽象絵画風の作品。 自ら、アブストラクト写真と呼びながら、独特の造形美がある。
60年代から現代まで活躍中の、杉浦邦恵。 印画紙にモノを感光させるフォトグラムに、命が潜んでいる。
で、梅沢英樹と佐藤浩一による、サウンドスケープとイメージの微妙なズレ。
ちょっと、頭がくらくら。 外に出て、日仏会館に行ってみます。
ここでも、テクノロジー? 自動写真撮影の試みが、プレゼンされていました。
なるほどテクノロジー、されどテクノロジー、そうしてテクノロジー。 まあ、いっぷく。
いい日差しの中、冬の風を感じながら、目黒に向かいます。 このアナログ感の気持ちよさ。