鈴本演芸場で琴調の中村仲蔵 | 宗方玲・詩人が語る京都と歌舞伎

宗方玲・詩人が語る京都と歌舞伎

ブログの説明を入力します。

今日は、鈴本演芸場に行くことができました。

年末恒例の、宝井琴調による講談興行、「琴調六夜」です。

 

「あれこれと 憂さを煮込みて どぜう鍋」とは、いい副題。

 

盛り上がるところは、逆にゆったり間を空けて。 説明するところは、ゆるまず歯切れよく。

重厚な中の、軽妙さ。 ちょいワル風の中に、真面目さ。 これが、ぐっと引き込まれる、琴調の技。

 

今日は、「中村仲蔵」です。

まずは、今年1年を振り返り。 吉右衛門の4段目の稽古に行ったときの様子で、くすぐりを。

 

弁当場の役をあてられて、しょげかえる。 女房のお岸に励まされ、新しい定九郎に挑戦する。

そば屋で浪人を見て、役をつかむ。 舞台で滑ったと思い込み、逃げる準備をする。 ところが、、、

 

白塗り、黒羽二重の着物、白献上の帯、朱鞘大小の落とし差し、福草履と熊の毛の鬘。

そうして、五十両。 この表現力と、テンポの良さ。 これぞ、講談。 すかっと、しました。

 

ほかにも、講談が2題。

宝井琴柳は、「清水の小政」を枯れた味わいで。 次郎長と出会う、少年時代の小政がいきいき。 

 

来年真打昇進の宝井銀冶は、「爆裂お玉」。 悪女と、その周辺の人間の語り口が、粋です。

いやあ、講談って、いいですよね。

 

もちろん、落語も。

一之輔は「加賀の千代」で、自在の出し入れ。 菊之丞は「野ざらし」、釣りの大ボケで大爆笑。

 

色物では、はらはらするストレート松浦、弾け気味のホンキートンク、技の正楽で、楽しめました。

では、皆さま、よいお年を。 来年の新春爆笑興行で、また会いましょう。