国立演芸場で圓朝に挑む | 宗方玲・詩人が語る京都と歌舞伎

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国立演芸場にやって来ました。 開場四十周年ののぼりが、新調されています。

シリーズが楽しみな、「圓朝に挑む」。 今回は、誰が挑むのか。

 

まずは、金原亭馬治で「英国孝子ジョージ・スミス之伝」。

英国の噺を翻案した、敵討ちもの。 真面目な馬治が、熱く語ります。

 

父親を殺して大金を騙し取った敵と知らず、貧に窮して物乞いする息子。

真実をあばいて、敵をとることができるのか。

ちょうど時間となりました(30分!)、続きはまた今度って、浪曲かいな。

 

洒脱な中にスピーディさのある、橘家圓太郎は「鰍沢」。

頻繁に取り上げられる噺を、なるべくゆっくりとやってみますとか。

 

吹雪の夜に泊めてもらった山宿で、女主人の過去をあばいて、殺されそうになる旅人。

毒を飲まされても必死で逃げて、鰍沢に飛び込んだ先に、待っていたものは。

 

噺はどんどん、盛り上がる。 圓太郎もどんどん速くなる。 うん、これがいい。

 

講談からは、田辺銀冶で「月岡芳年」です。

圓朝にどうして浮世絵師と思ったら、同い年で国芳に弟子入りした二人の、切磋琢磨の創作話でした。

 

見てきたようななんとかで、ぽんぽーんとテンポよく語ってくれました。

 

トリは、古今亭文菊で「心眼」。

目が見えないことを散々馬鹿にされて、神様に願掛けする按摩。 それを支える、優しい女房。

 

満願の日に、なんと目が開いた。

って、それはいいとして、見なくていいものまで見えてきて、欲が張ったその先にあるものは何。

 

ゆったりと間をとって話す、文菊の顔がこわい。 これは怪談か、いやいやハッピーエンド。

まさに、「心眼」。 キャラの使い分けと話術で、ぐぐっと引き込まれました。