国立文楽劇場の、上方演芸特選会に行ってきました。
いつもバラエティーたっぷりで、こてこてなのにすかっとするのが、ええんです。
では、トリから。 桂春若で「三十石」です。
上方ではお馴染、伏見から大阪へ下る舟道中の、ドタバタ騒ぎ。
持ち時間と演者の趣味で、内容が変わるのが楽しみの一つ。
お下りやおまへんか、こうておくれやす。 おせんにあんぽんたん。
あんた、あんぽんたん。 なんや、それ。
京と大阪の、ことばの違いがたのしい。 わあわあ、ゆうとります。
春若はん、最初のくすぐりでショートギャグが長い。 でも、これがおもろすぎ。
枚方までで時間使てしもて、くらわんか餅のやり取りがなかったんも、また一興。
松浦四郎若は、ちょっとシビアな「乃木将軍信州墓参」。
信州にある乃木家の墓を訪れた、一人の老人。
そこには、乃木部隊で一人息子が戦死して、乃木将軍を憎む老婆が。
恨みつらみを語る老婆、乃木将軍を尊敬する孫息子、それを目の当たりにした老人の正体とは。
真面目で熱いのが、四郎若の特徴。 今日は、一段と熱がこもっています。
戦争の悲惨さを伝えたい、とはごもっとも。
淡々と語りながら、ときにギャグを飛ばす講談の旭堂南海は、「山内一豊と千代」。
長浜時代に、千代が馬を買って、一豊が功を立てる名場面です。
夫婦愛にしんみりしながら、大阪弁でべらべらしゃべる馬に、大笑い。 うまばうあーには、びっくりだ。
ほかにも、羽田たか志と福団治の特別対談、ポーカーフェースがなんだかかわいい帰天斎正紅の奇術。
きしょおもろいセンサールマンの漫才、ハイテンションの桂小留など、大笑いの3時間でした。
わてが雪姫どす。