八島士奴美神 ~知略・智謀・治水の神~ | 神さまの本音・御利益だけでは解らない神々の気持ちと本来の御加護

神さまの本音・御利益だけでは解らない神々の気持ちと本来の御加護

気軽に神社参拝を推奨するブログです。知りたい神様リクエストしてくださいね。

日本の神様って漢字ばかりで意味不明ですよね。文字から噛み砕いて解説してます。

古事記・日本書紀を元に
神名解説とスピリチュアルを融合してお話します。

 今回は八島士奴美神(やしまじぬみのかみ)のお話をしていきます。前回、知流比売命のお話をしたので夫の方もって事です。幸いにも夫の方は、祀られている神社は多々有ります。ものすごく有名って訳では無いですが、何となく聞いたことがあるなぁと思われる神様ではないでしょうか?


~八島士奴美神とは~
 須佐之男命と櫛名田比売との間に生まれた神様。木花知流比売(妻)との間に布波能母遅久奴須奴神(ふはのもぢくぬすぬのかみ)を生みます。古事記・日本書紀にも記載のある神様です。有名な神社では八坂神社(京都)に祀られています。

 出雲神話系の神様で在られます。ですから天皇系神話である古事記では多くは語られておりません。出雲が天皇系に併合されたので古事記・日本書紀共に政治意図が繁栄された神名・漢字になっていると思われます。元々の神名・漢字等は不明です。

 神格・御利益等は、主祭神として単独で祀られている神社が見当たらないため不明です。ここでは、神名等をみて判断していきます。

【神名】

八島士奴美神(やしまじぬみのかみ)(古事記)
清之湯山主三名狭漏彦八嶋篠(すがのゆやまぬしみなさるひこやしましの)(日本書紀)八段一書一

清之湯山主三名狭漏彦八嶋野(すがのゆやまぬしみなさるひこやしまの)(日本書紀)八段一書一

清之繁名坂軽彦八嶋手命(すがのゆいなさかかるひこやしまでのみこと)(日本書紀)八段一書一


【神格】
一般的には不明
水の神

治水の神

知の神

地母神

 


【御利益】

一般的には不明

学業成就・国土保全・開発発展

 

八島士奴美神

慕い拝覧する場合

 

知を与えよう

考えを柔軟にする要素を与えよう

人としての知・博識・知恵・智謀・知略を与えよう

 

我が名を とな えよ。さすれば、我は応えよう




~記紀の漢字から読み解く~

 記紀共に出雲神話系の神に対しては、辛辣です。古事記はまだマシですが、日本書紀に関して言えば、書かれている場所によっては「神」の扱いすらしていません。単なる有名人!?程度の扱いです。他の出雲神話系の神々もそういう事がありますが、この夫婦(木花知流比売命と八島士奴美神)に関しては特別に辛辣に書かれています。これは多分当時の時代背景が関連していると思われます。まだ、出雲の勢力が力を持っていて皇室系(朝廷)と一体化まではしておらず反発の目が有ったのかもしれませんね。

 

辛辣な表現(古事記)

奴・・・下男、やっこ等、卑下する表現が神名に在る。

 

辛辣な表現(日本書紀)

神である表現が為されていない。神名の最後に「神・命・尊」の表記がない表現がある。また「命」とある場合も「軽」という字を使い卑下している。

 

☆☆卑下しつつも完全に否定できない優れた神☆☆

 完全に卑下して貶めたいが、優れているのでそこまで書けない。と言うのが良く解ります。立派なのは認めているんですよね。ですが、どのように立派だったのか優れた統治者というのは解りますがそれ以上は何も書かれておらず不明のままです。日本書紀に関しても何処に住んでいたかという表現は在るのですが、何をしていたのかが不明です。

 


【漢字から読み解く】(参照 漢字ペディア

(しまのかみ)(古事記)

多くの島をもつ下男で立派な

島を束ねる男だが下男(卑下した言い回し)である。しかし立派な神で在る。

※出雲神話系の神で在られるため、皇室神話系(古事記)からは下に見られている。

 

すがやまぬしひこしましの)(日本書紀)

清らかなこの湯の山の主で何度も呼び名が谷あいに漏れる才徳があるすぐれた青年で多くの島を束ねている

山の主で何度も呼び名が谷あいに漏れる才徳があるすぐれた青年で多くの島を束ねている

(「清之湯山」は出雲の地名という説より)

事象のみ語られるのみで「神・命・尊」等の神に対して付けられる尊称すらない。

 

すがゆいさかかるひこしまのみこと)(日本書紀)

整備されたこの草木が生い茂る優れた堤防にいる落ち着きがないが才徳があるすぐれた青年で多くの島の命を受けた神

という名の土手にいる落ち着きがないが才徳があるすぐれた青年で多くの島の命を受けた神

事象のみ語られるのみで「神・命・尊」等の神に対して付けられる尊称すらない。

 


~八島士奴美神から一言~
 今回は八島士奴美神様と対談致します。拠点とか立派とかは書かれているのですが、内容が余り良くわからない神様ですから訊いてしまおう。ってことで色々と質問をしたいと思います。


「八島士奴美神様、初めまして」

「色々とお話を伺いたいので、よろしくお願いいたします」
八島士奴美神
「相わかった。何でも訊きなさい」

「初めに今回色々と記載いたしましたが、相違ない箇所と違う箇所等有りましたらご指摘願います」
八島士奴美神
「うむ。内容に関しては、概要しか書かれていないので可ということで良いだろう」


「ありがとうございます。具体的な内容についてお訊き致します。神格と御利益についてお願い致します」
八島士奴美神
「神格のぉ・・・。書いてある通りで良かろう。特に異議はない。加えるなら、大地の神とでも言えばいいだろう。まぁ地母神とあまり変わらぬが」


「わかりました。次に御利益等についてお願い致します」
八島士奴美神
「これまた・・・難解な。守護を与える内容か。学業・記憶・創造・発想に関しては大丈夫だな。後は治水・環境保全が該当するであろう。富国は該当しない。あくまでも、自然と共に共栄するという考えが基本にある」


「わかりました。有難うございます」

「あとは、色々と知らせたいことなどが御座いましたら、宜しくお願い致します」
八島士奴美神
「うむ。昨今開発が進んでおるが長期視点での考えが欠落している。目先の利益のみ考え数百年の長きに渡る考えがない。情けない。子々孫々まで受け継がれる環境国土を考えておらぬ」


「はい。そうですね」
八島士奴美神
「その他、気候変動にも対応せねばならぬのに、乱開発、その地の伝来事項を忘れ、考えず、無視しておる」

「よくよく考えて地の利用をするがよい」


「わかりました」
八島士奴美神
「あとは、勉学に於いてだが、表面上の記憶だけでなく理解をして記憶をするように。詰込みでは物事の判断が出来ぬ。教育方法がちとまずい。産業が衰退とまではいかぬが・・・陰りが出るぞ」


「有難うございます」
八島士奴美神
「最後に一言。我を慕い拝覧するのであれば、知を与えよう。考えを柔軟にする要素を与えよう。学校・試験等が受かる等の守護は出来ぬが、人としての知・博識・知恵・智謀・知略を与えよう

「ついでに一緒に祈願等では・・・出来ぬがな。他の神々に隠れさほど加護は出来なくなる。名を称えよ。さすれば、我は応えよう


「色々と有難う御座いました」
八島士奴美神
「いや、こちらこそ、色々と話す機会を与えて伝える機会を得て良きかな」


~最後に~
 今回は、八島士奴美神についてお話をしてきました。解らないことが多く資料も無く困りましたが、どの様な神かということは何となく書けたと思います。神々も様々な性格・加護・お役目があります。それを理解して参拝をなされればより一層身密になれると思います。


~詳しく八島士奴美神を知ろう!~
【古事記から解く】
(國學院大學古典文学事業HPより抜粋)
大国主神の性格付けが天皇系譜との対比によって系譜に示されているとする説や、国土神から水の神へとその誕生を物語る出雲土着の神話が骨子になっているとする説神の祝福を受けて豊かな自然環境が出現することを望む人々の願いが反映されているとする説、八島士奴美神の名義は、「八島」は多くの島々、「士奴美」は「知主霊」の意で、多くの島々を領有する主の神霊とする説がある。

※『先代旧事本紀』では、「八嶋士奴美神」の別名に「大国主神」とあります。

知主霊とは?・・・調べても出てきませんが、知識の主(あるじ)の神霊と解釈で良いのでは?

~漢字から詳しく見る八島士奴美神の加護~(参照 漢字ペディア

(しまのかみ)(古事記)

多くの島をもつ下男で立派な

島を束ねる男だが下男(卑下した言い回し)である。しかし立派な神で在る。

※出雲神話系の神で在られるため、皇室神話系(古事記)からは下に見られている。

 

意味・・・・・①やっつ。数の名。やっつめ。 ②多くの。たくさん。

なりたち・・・たがいに背き合っている二本の線で、わかれる意を表す。借りて、数詞の「やつ」の意に用いる。

意味・・・・・しま。水に囲まれた陸地。
なりたち・・・山と、音符鳥(テウ)→(タウ)(は省略形)とから成る。海中にある「しま」の意を表す。一説に、会意で、山と鳥(とり)の省略形とから成り、渡り鳥が止まる場所の意から、波のあいだにうかぶ山、「しま」の意を表すという。

意味・・・・・①おとこ。成年の男子。また、りっぱな男子。 ②さむらい。軍人。 ③ある資格をもつ人。
なりたち・・・まっすぐに立てた鉞(えつ)(まさかり)の刃の部分を下にしたさまにかたどる。借りて「おとこ」の意に用いる。一説に、男子の性器にかたどり、一人前の男の意を表すという。

意味・・・・・①やっこ。(ア)しもべ。下男。(イ)江戸時代の男だて。 ②やつ。他人、または自分を卑しめていう語
なりたち・・・女と、又(ゆう)(手でつかまえる)とから成り、捕虜となった女、転じて、しもべの意を表す。

意味・・・・・①うつくしい。きれい。②よい。すぐれている。りっぱな。 ③よしとする。ほめる。たたえる。 ④うまい。おいしい。
なりたち・・・羊と、大(おおきい)とから成り、神に供える羊が肥えて大きいことから、「うまい」「うつくしい」意を表す。

・・・・職務が無い場合は単に”神”と言われる。一般的には、尊・神・命は神を表す尊称。


すがやまぬしひこしましの)(日本書紀)

清らかなこの湯の山の主で何度も呼び名が谷あいに漏れる才徳があるすぐれた青年で多くの島を束ねている

山の主で何度も呼び名が谷あいに漏れる才徳があるすぐれた青年で多くの島を束ねている

(「清之湯山」は出雲の地名という説より)

事象のみ語られるのみで「神・命・尊」等の神に対して付けられる尊称すらない。

 

意味・・・・・①きよい。きよらか。(ア)水がきれいにすむ。(イ)心がきよらか。けがれがない。いさぎよい。 ②きよめる。整理する。始末する。 ③すがすがしい。さわやか。
なりたち・・・水と、音符靑(セイ)とから成る。水が澄んでいる、ひいて「きよい」意を表す。

意味・・・・・①ゆく。いたる。 ②これ。この。指示・強意の助字。 ③の。主格や修飾の関係を表す助字。
なりたち・・・足あとの形にかたどり、「ゆく」意を表す。借りて「これ」「の」の意の助字に用いる。

意味・・・・・ゆ。水をわかしたもの。また、ふろ。
なりたち・・・水と、音符昜(ヤウ)→(タウ)とから成る。「ゆ」の意を表す。

意味・・・・・①やま。高く盛り上がった地形。 ②やまのように盛り上がること。 ③鉱物を産出するやま。
なりたち・・・山岳のそびえているさまにかたどる。「やま」の意を表す。

意味・・・①ぬし。あるじ。かしらとなる人。 ②おもな。中心になるもの。 ③つかさどる。中心となってはたらくこと。 ④はたらきかけるもの。動作をなす側。

なりたち・・・神壇に供えた燭台(しよくだい)に火()が燃えている形にかたどる。「炷(シユ)」の原字。神火を守る者、転じて「ぬし」の意を表す。

意味・・・・・①みっつ。数の名。 ②みたび。三回。 ③たびたび。何度も
なりたち・・・一をみっつ積み上げて、数詞の「みつ」、ひいて、多い意を表す。

意味・・・・・①なまえ。よびな。 ②なづける。よぶ。 ③なだかい。すぐれている。ほまれ。 ④人数を数える語。
なりたち・・・口と、夕(ゆうぐれ)とから成り、夕方の暗やみで、人に自分の名をなのることにより、「な」の意を表す。

意味・・・・・①はざま。たにあい。山と山とに挟まれた所。 ②細長く狭まった所。
なりたち・・・会意形声。山と、夾(カフ)(はさむ)とから成る。山と山とにはさまれた所の意を表す。

意味・・・・・①もる。もれる。もらす。②ぬける。わすれる。 ③水時計。
なりたち・・・水と、屚(ロウ)(屋根から雨がもれる)とから成り、水どけいの意を表す。ひいて、「もる」「もれる」意に用いる。

意味・・・・・①ひこ。男子の美称。 ②才徳があるすぐれた青年。
なりたち・・・意符彣(ぶん)(あや)と、音符厂(カン)→(ゲン)とから成る。美しい男の子、転じて、優れた青年の意を表す。

意味・・・・・①やっつ。数の名。やっつめ。 ②多くの。たくさん。

なりたち・・・たがいに背き合っている二本の線で、わかれる意を表す。借りて、数詞の「やつ」の意に用いる。

意味・・・・・しま。水に囲まれた陸地。
なりたち・・・山と、音符鳥(テウ)→(タウ)(は省略形)とから成る。海中にある「しま」の意を表す。一説に、会意で、山と鳥(とり)の省略形とから成り、渡り鳥が止まる場所の意から、波のあいだにうかぶ山、「しま」の意を表すという。

意味・・・・・しの。しのだけ。竹の一種。細くて、群がり生える。
なりたち・・・竹と、條(テウ)→(セウ)(細長いもの)とから成る。

 

すがやまぬしひこしま)(日本書紀)

清らかなこの湯の山の主で何度も呼び名が谷あいに漏れる才徳があるすぐれた青年で多くのがある郊外の村里にいる者

山の主で何度も呼び名が谷あいに漏れる才徳があるすぐれた青年で多くのがある郊外の村里にいる者

(「清之湯山」は出雲の地名という説より)

 

上記参照

意味・・・・・①の。のはら。②はたけ。耕地。 ③民間。④自然のままの。 ⑤あらい。いやしい。ひらけていない。 ⑥だいそれた。身分不相応の。 ⑦区分した地域。
なりたち・・・里と、音符予(ヨ)→(ヤ)とから成る。郊外の村里、のはらの意を表す。

 

すがゆいさかかるひこしまのみこと)(日本書紀)

整備されたこの草木が生い茂る優れた堤防にいる落ち着きがないが才徳があるすぐれた青年で多くの島の命を受けた神

という名の土手にいる落ち着きがないが才徳があるすぐれた青年で多くの島の命を受けた神

事象のみ語られるのみで「神・命・尊」等の神に対して付けられる尊称すらない。

 

上記参照

意味・・・・・①しげる。草木が生い茂る。ふえる。 ②盛んになる。 ③回数が多い。わずらわしい。いそがしい。
なりたち・・・糸と每(たくさんあるさま)とから成る。多くの糸をつけることから、馬のたてがみのかざりの意を表す。転じて、「しげる」、さかんの意に用いる。旧字は、形声で、糸と、音符敏(ビン)→(ハン)とから成る。

意味・・・・・①なまえ。よびな。 ②なづける。よぶ。 ③なだかい。すぐれている。ほまれ。 ④人数を数える語。
なりたち・・・口と、夕(ゆうぐれ)とから成り、夕方の暗やみで、人に自分の名をなのることにより、「な」の意を表す。

意味・・・・・①さか。傾斜している道。 ②つつみ(堤)。土手。
なりたち・・・土と、音符反(ハン)とから成る。傾斜している土地、「さか」の意を表す。もと、阪(ハン)に同じ。

意味・・・・・①かるい。重量や程度が少ない。 ②かろやか。動きがなめらかである。 ③かるがるしい。落ち着きがない。 ④かろんじる。あなどる
なりたち・・・車と、音符巠(ケイ)とから成る。まっすぐかろやかに走る戦車、ひいて、「かるい」意を表す。

上記参照

意味・・・・・①て。肩先から指までの総称。また、てくびから先の部分。 ②てなみ。うでまえ。やりかた。 ③てずから。自分のてで。 ④てにする。持つ。てに取る。「 ⑤ある仕事をする人。 ⑥技芸にすぐれた人。
なりたち・・・手のひらを開いた形にかたどり、「て」、また、手に取る意を表す。

・・・・その職務を仰せつかった神。職務が無い場合は単に”神”と言われる。一般的には、尊・神・命は神を表す尊称。