木花知流比売 ~広報に強い神・縁の下の力持ち~ | 神さまの本音・御利益だけでは解らない神々の気持ちと本来の御加護

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日本の神様って漢字ばかりで意味不明ですよね。文字から噛み砕いて解説してます。

古事記・日本書紀を元に
神名解説とスピリチュアルを融合してお話します。

 今回は、「木花知流比売命」についてお話していきます。へ!?木花之佐久夜毘売間違えでは!?なんて言う方!失礼です!!まぁとても紛らわしく認知度が低い神様であることは確かです。現代風に言えば「木花之佐久夜毘売のパチもん」って思われてしまうぐらいに・・・ネタとしてでも良いですから覚えておくといいですよ。

 

~木花知流比売命とは~

 須佐之男命の系譜中にあり、大山津見神の娘で、八島士奴美神との間に布波能母遅久奴須奴神を生んだ神様です。因みに木花之佐久夜毘売も大山津見神(大山祇神)の娘・櫛名田比売は大山津見神の孫です。

【神名】
木花知流比売命(このはなちるひめ)(古事記)

【神格】
一般的には不明
知恵の神・農耕の神・広報の神

 

【御利益】

一般的には不明

国土繁栄・事業拡大・豊穣・豊漁

影の活躍・縁の下の力持ち

 

【祀られている神社】

不明(存在が確認できませんでした)

 

~木花知流比売命の学術的見解~(参照:國學院大學古典文学事業HP

 木花知流比売命は、木花之佐久夜毘売同様「木花」が出てきます。木の花という説や桜の花とする説があります。この説に基づいて以下のように考えられています。

 

桜を穀霊(穀物に宿る精霊)の依り代となる神木と捉える。

 

↓この説に基づいて↓

 

桜の咲き散りによって年穀の豊凶を占う木とされてきたとする説が産まれる。

 

↓この説に基づいて↓

 

この神名を、山の神(大山津見神)の農耕神としての霊能を受け継いでいることを示すものと捉える説が産まれる。

 

 学説は様々あり、木花知流比売や木花之佐久夜毘売の神話の内容に桜の要素は見いだせないとして、桜との関係を否定する説もあります。

 

(以下國學院大學古典文学事業HPより抜粋)

 木花知流比売と木花之佐久夜毘売とは、ともに大山津見神の娘で、名前の散る・咲くが対応します。両神は登場する場面が異なり、神話上の関係性は薄いが、邇々芸命が木花之佐久夜毘売との結婚によって皇統の繁栄を得たのに対して、八島士奴美神と木花知流比売との結婚は、国つ神の系譜が天下を支配する正統を継承しないことを象徴するもので、散るという神名にはそうした否定的な意味が込められているとする見方がある。

☆☆簡潔に言うと☆☆
 出雲の勢力は、皇家を継承せず、知識は皇家に流れ、木花(農耕・繁栄)は知識と共に皇家に行った。という政治的な意味を含んだものと考えられます。因みに木花之佐久夜毘売は、木花(農耕・繁栄)+之(を)+佐(補佐し助ける)+久(恒久的に)+夜(人(皇家)が休む(終わる)まで)+毘(助ける)売(女性)になります。古事記には、この様な意味が隠されている記載が多々あります。国家統一にあたり正当性を語るための書籍として書かれた所も在るのでしょうね。

 ですから、木花知流比売命・木花之佐久夜毘売という両神は、実際の名前と異なると愚考します。本来の名前は歴史の闇に隠されたままでしょうが、想像するに出雲国の権力者が大山津見神(大山祇神)で両娘が『(仮称)木花知流比売命(長女)』と『(仮称)木花之佐久夜毘売(次女)』なのでしょう。出雲の時代は、終わって皇家の時代だ~って感じですね♪



~古事記の漢字と音から読み解く~
 古事記・学説・漢字・音から読み解くと、農耕知識を国の隅々まで広めるために尽力した神様で在られるということが解ります。それ以外には、政治的な意図も含まれています。大和朝廷は出雲を掌握してその知識を国の隅々まで行き渡らせた。という意図です。

  
【漢字から読み解く】

このはな(参照 漢字ペディア

樹木や草木の花の知識を司りその知識を広めていくことを象徴とした命を受けた女性の神様


【音と学説から読み解く】
樹木や草木の花の

この部分は、農耕・樹木(栗・果樹等)を指しています。また、穀物の精霊を指しているとの説もあります。


この部分は、「散る」という音から政治的意味。「知識が流れる」という意味。また、夫である

八島士奴美神(やしまじぬみのかみ)の意味(多くの島々を領有する主の神霊)から『国の隅々まで知識を行き渡らせる』という解釈もできる。


木花知流比売命から一言~
 今回は木花知流比売命様にお話をして頂きます。色々記載いたしましたが、本名が不明なので困ったなぁと思っています。どう考えても後付け的な名前にしか見えませんし。それに祀られている神社もほぼ無いのでは!?っていう現実。色々と語って頂ければ幸いです。



「木花知流比売命様、初めまして。色々とお聞きしたいこともありますが、まずは内容の確認と仔細問題ないかお願い致します」
木花知流比売命
「はい。初めまして。この度はお話して頂きありがとう。忘れられている。時代から消滅してしまう。ってことがなく現代まで語り継がれていることに有り難く思います」

「内容に関しては、問題ありません。ほぼ・・・。詳細は違うところ、解釈の問題等々ありますが大枠大丈夫です」

「ありがとうございます。諸説入り乱れているのはどの神々も同様ですよね。古典から色々派生した資料等もあり消失した資料もあるでしょうし」
木花知流比売命
「そうですね。その辺は、気にしません。本筋が間違えていなければ」

「はい。ありがとうございます」

「まず初めに、祀られている神社等が見当たりません。どうすればよいのでしょうか?また、神格・御利益等々が資料なく・・・想像になってしまいます」

木花知流比売命
「はい。その点に関しては致し方ないですね。まず初めに、祀られている神社等に関してですが、消失・失伝等々・・・ですね。ほぼ無いでしょう。名も変わり神名が違って祀られているので別の存在になっていますしね」

「私に対して祈願等々を行いたいと思うのであれば、木花之佐久夜毘売が祀られている神社でもいいでしょう。大山津見神が祀られている神社でも構いません」

「はい」

木花知流比売命
「神格・ご利益に関しては・・・・自分で神格というのも何か変ですね。」

「ではこうしてください」

「神格:知恵の神・農耕の神・広報の神」

「ご利益:国土繁栄・事業拡大・豊穣・豊漁」

「その他には、影の活躍・縁の下の力持ちぐらいかしら」

「わかりました。ありがとうございます」

木花知流比売命
「いいえ。よくわからない神に祈りは捧げられないでしょう」

「まぁ・・・現実はそんなもんですよねぇ」

木花知流比売命
「そうですね。では今回はこれぐらいにしましょうか。長く書いてもね」

「有難うございました。ではまたの機会によろしくお願いいたします」



~最後に~
 今回は、木花知流比売命を取り上げました。不明点が多く書けるかな?と思いましたが、何とか・・・。名前以外にも色々なものがわかって頂けたら幸いです。


~漢字から詳しく見る木花知流比売命の加護~

このはな(参照 漢字ペディア

樹木や草木の花の知識を司りその知識を広めていくことを象徴とした命を受けた女性の神様

 

意味・・・・・①き。たちき。 ②建築や器具の用材。 ③五行の一つ。 ④七曜の一つ。木曜。 ⑤かざりけがない。
なりたち・・・象形。立ち木の形にかたどり、樹木の意を表す。

意味・・・・・①はな。草木のはな。 ②はなの形。はなのように美しいさま。
なりたち・・・形声。艸と、音符(クワ)とから成る。草の「はな」の意を表す。もと、華(クワ)の俗字。

意味・・・・・①しる。さとる。わかる。 ②ちえ。物事を考える能力。 ③しらせる。しらせ。 ④相手をしっている。しりあい。 ⑤つかさどる。おさめる。
なりたち・・・会意。矢(すばやい)と、口(ことば)とから成る。ことばを即座に理解する、「しる」意を表す。

意味・・・・・①ながれる。ながす。 ②ながれ。 ③広まる。ゆきわたる。 ④さすらう。さまよう。 ⑤成りたたずに終わる。 ⑥それる。はずれる。 ⑦罪によって遠方の地に移す⑧しかた。やりかた。系統。 ⑨血すじ。血統。 ⑩等級。身分。 ⑪根拠のない。 ⑫なめらか。
なりたち・・・会意。水と、㐬(とつ)(育の原形。頭髪のある子供を上下逆さにした形)とから成る。古代には生まれたばかりの子供の無事を祈って水にながす風習があったことから、水が「ながれる」意を表す。

意味・・・・・①くらべる。てらしあわせる。 ②たとえる。なぞらえる。③ならぶ。ならべる。 ④たぐい。仲間。 ⑤ころ。ころおい。 ⑥同種の二つの数量の割合。
なりたち・・・人がふたり並んでいるさまにより、「ならぶ」、ひいて「くらべる」意を表す。

・・・女性を表す表現
・・・・その職務を仰せつかった神。職務が無い場合は単に”神”と言われる。一般的には、尊・神・命は神を表す尊称。