闇淤加美神(闇龗神) ~心・肉体ともに美しくする龍神~ | 神さまの本音・御利益だけでは解らない神々の気持ちと本来の御加護

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日本の神様って漢字ばかりで意味不明ですよね。文字から噛み砕いて解説してます。

古事記・日本書紀を元に
神名解説とスピリチュアルを融合してお話します。

今回は「闇淤加美神」についてお話します。毎回どの神を取り上げるか悩みます。この神様『京都・貴船神社』で祀られている祭神です。神名は違いますが同じ神様です。『闇』なんて文字が使われているのでイメージが悪いですが誤解です。そのようなことは有りません。

 

京都・貴船神社


~闇淤加美神とは~
 高龗神(たかおかみのかみ)と闇龗神(くらおかみのかみ)が同一神という説も貴船神社社記にあります。今回は同一神かは不問として《高龗神》は扱いません。

 

【高龗神(たかおかみのかみ)とは?】
京都・貴船神社HPより抜粋

 貴船神社の御祭神である高龗神は闇龗神とも伝わります。社記には「呼び名は違っても同じ神なり」と記されています。降雨・止雨を司る龍神であり、雲を呼び、雨を降らせ、陽を招き、降った雨を地中に蓄えさせて、それを少しずつ適量に湧き出させる働きを司る神です。一説には、高龗は「山上の龍神」、闇龗は「谷底暗闇の龍神」と言われています。 水は万物の命の源。生きとし生けるものが命をつなぐために片時もおろそかにすることができない大切な水の供給を司る「水源の神」です。

 

京都・貴船神社

 

【古事記】

 伊耶那美命(いざなみのみこと)が、迦具土神(かぐつちのかみ)を生んだことが原因で他界し、伊耶那岐命(いざなみのみこと)が迦具土神の頸を斬った際、刀の柄に集まった血が手の間から漏れ出て成った二神闇淤加美神・闇御津羽神)の第一です。

 

【日本書紀】(五段一書六)
 伊奘冉尊(いざなみのみこと)が、軻遇突智(かぐつち)を生んだことで身を焼かれてお隠れになった。伊弉諾尊(いざなみのみこと)は、軻遇突智を三段に斬った際、剣の柄頭から滴った血が神と成った三神闇龗・闇山祇・闇罔象)の第一です。

 

 記紀では、上記の通り書かれています。途中過程は若干違いますが、ほぼ同じ内容です。解釈として記紀での違いは無いとと言う事ですね。


【神名】
闇淤加美神(くらおかみのかみ)(古事記)

闇龗(くらおかみ)(日本書紀五段一書六)(陰陽本紀)
闇龗神(くらおかみのかみ)(京都・貴船神社)


【神格】

水源の神

水の神様

酒造の神

龍神


【御利益】
商売繁盛・祈雨・止雨・舟運・治水・潅漑・農水安全・縁結び・酒造

~記紀の漢字と音から読み解く~

「オカミ」を蛇龍神として読む文献があることから、古事記の闇淤加美神も龍神ではないかと言われています。漢字・音から読んでいくと闇淤加美神は、以下の通りです。

 

あらゆる水を

力と言霊により

制御する龍神

 

美味しいお酒を造る龍神

 

【古事記】

神(くらのかみ)(参照 漢字ペディア

暗がりで泥に塞がれて水が止まっているのを力と言霊により美味しい水にする

暗い所から水を提供する神・暗い所とは《雨・地下》とも解釈できる。泥水も綺麗にするという解釈から治水等にも関連することを示唆している。

 

閉じられた闇のドロドロしたものに添加して美味しくする

日本酒など酒を造る工程を表したもので酒造を司る神ということ。

 

【日本書紀・神社等】

龗(神)くらおかみ(神)

こっそりと雨乞いする龍

人々に顕示することなく雨を龍の力・言霊により制御する(神)


~闇淤加美神から一言~
 今回も出来れば訊いてみたくてお願いをしてみました。参拝時とかの参考にして頂ければ幸いです。



「闇淤加美神から一言を頂きたく宜しくお願いいたします。何か世の人々が誤解されていたり勘違いされていたりしたら教えて頂ければ幸いです」
闇淤加美神
「あいわかった。様々な加護が言われているが、水を司るという事に尽きる」


「あ、酒も水からですものね」

闇淤加美神
「そうだ。水と言っても《物》としての水だけではなく、水心・水物等々水に喩えられるものも加護の対象である」


「あ~それは意外と知られていませんよね。物体としての水に関しての事のみですよね」

闇淤加美神
「そうだな。神髄としては、古事記にも記載が有る通り加具土命を斬ったことから発生した神であるから、その伊弉諾命・伊邪那美命の心も受けておる


「様々な内心が伺えますが・・・。それを内包するということですか?」

闇淤加美神
「うむ。単なる液体ではない。血というものは、心を全て示すもの」


「あ~心血を注ぐって言葉も有りますから、そうですよね」

闇淤加美神
「そうだな。心の闇・肉体の闇を美しくする。《淤がる》という言葉が当てられているように濁った・ドロドロしたものを《心・肉体》ともに美しく変化させるという意味もある。よくよく考えて祈願するがよい」


「わかりました。色々と指南いただきありがとうございました」


~最後に~

 色々と言われている闇淤加美神ですが、闇という言葉から随分イメージが悪い場合があります。ですが、上記の通り目立たず日陰となりご活躍される神です。各地に祀られていますので是非ご参拝してみて下さいね。
 神々は色々な意味があるので一概に『ご利益』とか言えないのが実態です。神社仏閣等では一般の人に解りやすく記載していますが、本来はとても深い意味が御座います。気に入った神様がいらっしゃいましたら是非その神様だけでも構いませんので詳細を知ってみてください。

詳しく闇淤加美神を知ろう!~

 古事記に関しては【龍】という語彙は無く、日本書紀他には【龍】を示唆する文字が使われています。『オカミ』を竜蛇神としている文献があり、『淤加美(おかみ)』も龍神ではないかと解釈されています。

 古事記に於いても『人型の神⇒和邇(ワニ)』という記載が有りますから『人型の神⇒龍』でもおかしくないですよね。龍・蛇とは、うねうねと動く生態から『川の化身』的な扱いをされてることが多いです。『ネズミやモグラ等、田畑の害獣を食べる蛇・毒を持って人を殺す蛇』このような生態からも蛇を神聖視する要因だったのでしょうね。

 

【音から読み解く】(抜粋:國學院大學古事記学センター
 日本書紀では「闇龗」と書いて「龗」字に「於箇美(オカミ)」の訓注が有ります。クラ(闇)は谷の意と捉えます。「龗」字は「靇」とも書き竜の意と捉えます。『豊後国風土記』で「蛇龗」と書いてオカミと読んでおり、泉に棲む竜蛇神である。また、『万葉集』(2・104)に「我が岡の龗に言ひて降らしめし雪の摧けしそこに散りけむ」とあり、水の神として雨や雪を掌ったことがわかる。


~漢字から詳しく見る闇淤加美神の加護~
神(くらのかみ)(参照 漢字ペディア

暗がりで泥に塞がれて水が止まっているのを力と言霊により美味しい水にする

暗い所から水を提供する神・暗い所とは《雨・地下》とも解釈できる。泥水も綺麗にするという解釈から治水等にも関連することを示唆している。

閉じられた闇のドロドロしたものに添加して美味しくする

日本酒など酒を造る工程を表したもので酒造を司る神ということ。


意味・・・・・①くらい。光が薄い。 ②やみ。くらがり。 ③ひそかに。こっそりと。 ④分別がない。おろか。
なりたち・・・門と、音符音(イム)→(アム)とから成る。門を「とじる」意を表す。転じて「くらい」意に用いる。

意味・・・・・どろ。おり。どろでふさがる。
なりたち・・・於オは「はた+=印(かさなる)」の会意文字で、旗がなびかずに垂れて止まったさま。淤は「水+音符於(とまる)」で、水が止まって流れないこと。

意味・・・・・①くわえる。ふやす。多くなる。ほどこす。 ②くわわる。仲間に入る。 ③たし算。
なりたち・・・力と、口(くち、ことば)とから成る。ことばを重ねて人をそしる意。転じて、「くわえる」意に用いる。

意味・・・・・①うつくしい。きれい。②よい。すぐれている。りっぱな。 ③よしとする。ほめる。たたえる。 ④うまい。おいしい。
なりたち・・・羊と、大(おおきい)とから成り、神に供える羊が肥えて大きいことから、「うまい」「うつくしい」意を表す。

 

龗(神)くらおかみ(神)

こっそりと雨乞いする龍

人々に顕示することなく雨を龍の力・言霊により制御する(神)

 

意味・・・・・①くらい。光が薄い。 ②やみ。くらがり。 ③ひそかに。こっそりと。 ④分別がない。おろか。
なりたち・・・門と、音符音(イム)→(アム)とから成る。門を「とじる」意を表す。転じて「くらい」意に用いる。


意味・・・・・龍。神。神霊。また、神秘的な力。
なりたち・・・形声。意符龍(りゅう)と、音符霝(レイ)とから成る。雨ごいするりゅうの意を表す。

※雨+口口口+龍の文字です。靈(雨+口口口+巫)の意味《意符巫(ふ)(みこ)と、音符霝(レイ)とから成る。雨ごいするみこの意を表す》から、同様の成立ちかと思われます。

 

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