自己改善や病気を克服する方法について説明されている。

 

クーエが開発した方法について自ら説明するとともに、

ブルックスが実例を挙げて自己暗示の効果を述べている。

 

クーエは足が悪くほとんど動けない人や、食べ物の消化不良に悩む人など、

様々な悩みを持つ患者を奇跡的とも言える改善に導いた。

 

具体的な方法は

  • 自己改善

クーエの一般暗示

「私はあらゆる面で、毎日、ますます良くなっていく」

を朝晩唱える。

 

  • 病気の克服

特殊暗示と呼ばれる、具体的な病気が治るイメージの文言を、繰り返し唱える。

唱える文言は無意識が理解できない否定的な言葉は避け、また短めにした方が良い。

 

というもの。

 

幼児期の教育などは実際、この本に書かれている暗示のようなものかもしれない。

親から聞いた言葉は子供にとって暗示的な効果を与える。

 

何か子供が失敗した時に

「あなたはダメな子ね」

など言ってしまうと、失敗したことがダメなのに、

子供にとっては

「僕は何をやってもダメな子だ」

などと深層心理に残ってしまうかもしれない。

褒めて伸ばす教育方が効果的である理由が十分説明されている本だと思う。

 

すべての記憶は意識されないにせよ、大脳に全て保存されている。

人の行動の選択の中で意識によって決めているのは1割ほどで、

この膨大な記憶を有する無意識によって多くの行動が左右されることが

自己暗示が効果的であることの前提となっている。

 

無意識は脈拍や消化器官の調節を担っており、

暗示文を口頭または心の中で繰り返し唱えることにより、

例えば「呼吸が楽だ」と唱えることにより喘息の発作が治ったり

軽度になったりという事例も紹介されている。

 

こうなってくると、自分の言葉を自分の身体がどの程度受けいるれるか、

どの程度信用するか、によって効き目は人により異なるだろう。

実際、暗示の効果はその人の資質や環境によって異なる。

例えば、医者が患者に診察の際に話す内容は暗示的な効果が強く、

症状がかなり悪いと診察された直後から、さらに症状が悪化するということもある。

 

 

コインに紐をつけて思った通りにコインが移動する実験や、自律訓練法の「手が勝手に上がる」などの、無意識によって体が実際に動いてしまうことは興味深い。

実践してみたが、本当に不思議な感じだ。

自分の体でも分からないことだらけだ。

 

一般暗示を繰り返す唱えることはもはや宗教の祈りであると書かれており、

このことは逆に、祈りの効果を心理学的に説明しているとも言える。

 

「想像力」という言葉が特に強調されている点も興味深い。

ネガティブな場面をありありと想像していると、

いつかそれが現実になってしまうということもある。

反対に、夢が実現した場面がイメージされている写真や絵を

普段から目に入る場所に置いておくなどのやり方も

願望達成の方法として良く挙げられている。

言語によって抽象的に考えるだけでなく、具体的なイメージを心に浮かばせることの影響がいかに大きいかを、この本は「想像力」という言葉で説明しようとしている。

 

一般暗示を毎日やっていきたいが、

暗示が効果的であるとされる起床直後はつい忘れがちであったりする。