などと言っている私だけど、また思い出したことがある。
私の方が余程狂ってたじゃないかということ。

隣家の嫁がとにかく嫌なやつで、うちは散々な目に遭った。
うちの子供にも嫌がらせをして傷つけた。
許せなかった。
私は眠る前に過呼吸を起こすようになり、夢で何百回もあいつを殺した。脳内でも毎日殺した。放火してやろうと思ったのも一度や二度ではない。

あれほど人間を憎んだことはなかった。

呪いの掲示板に書き続け、毎日毎晩365日、10年弱、 死ねばいいのにと呪い続けていた。どうかしていたと思うが追い詰められていたのは間違いない。

そんなある日、隣家の旦那が夜に
「嫁が亡くなった」
と言いに来た。新手の嫌がらせかよ!と思った。
そして隣家に香典を持っていった主人が帰宅して言った。

「いやー、ほんとに死んでたわ」

私は思った。神様はいた!!
笑いが止まらず心底嬉しかった。
そんな自分が怖いと思いつつ因果応報だとも思っていた。バチが当たったのだ。ざまあみろ。死んで詫びろ、と。いや、詫びないから死んだんだ!

呪いってあると思う。
言霊ってあると思う。
私が殺したかもしれないし、偶然かもしれない。(死因は癌)
中世ヨーロッパなら私は魔女裁判で火炙りだ。
しかし
何が怖いって、私自身が全く反省していないこと。
呪い返しが怖い…という気持ちはあるけど反省してないし後悔もしてない。
あの時の私は本当につらくて悲しくて可哀想だった。今でもざまみろ!という感情しか湧かない。人を憎む感情というのは消えない。恐ろしいことです。