某研究所で大量の研究者が2023年3月末で雇い止めになるそうですね。
この問題を知って驚いたのは、有期雇用にも関わらず10年も雇用されるということです。
てっきり5年くらいかと思っていました。
10年もあればそれなりに成果も出せるでしょうし、かなり恵まれているように思います。
10年で自分が研究職に向いているのかどうかの見極めもつくと思います。(私は博士課程在学中に見極めざるを得ませんでしたが)
そして10年で成果も出せず、無期雇用のポジションも取れないのであれば、その後もアカデミアの研究者として生きていくのは難しいだろうなと思います。
研究者は才能がモノをいう世界ですから、才能のない人がズルズルと続けるのは、社会のためにも本人のためにもならないと思います。
将棋の奨励会のように年齢制限をつけるとか、学位取得後の経過年数に制限をつけるとかした方が良いと思います。例えば学位取得後10年以内に無期雇用のアカポスをゲットできなければ、公的な機関や大学では研究できない(採用されない)と法律で決めたらどうでしょうか。
アカデミアの研究職だけが全てではありませんし、若い博士号取得者は毎年増えているのですから、若手にポジションを譲ってあげてほしいと思います。
PIが契約終了となってラボが閉じられるのに伴い、着任して数年で契約終了となる研究者やスタッフが多くいるようです。
PIは10年間研究できたのに、その配下の人たちは10年未満で去らないといけないということは不憫ですが、そもそもそういう契約だったのでは?とも思います。
そういう契約であることを理解したうえで契約書にサインして、入所したのですよね?
私は大学院入試の前にいくつかのラボに見学に行きましたが、とあるラボでは教授から「自分はあと2年半で定年だから、修士の間は見てあげられるけど、博士は見てあげられないよ。その点も考えてね。」とはっきり言われました。
結局私はそのラボを志望しませんでしたが、当時学部生であった自分でさえ、「ここのラボに入ったら、留年は許されない。絶対に2年間で修論をまとめて出ていかないと!」と覚悟しました。
社会人であれば当然、ボスの雇用期間の残りがどれくらいか、その期間が短いのであれば自分はどうすべきかを考えますよね。
私は有期雇用の研究者ではありませんし、その経験もありませんが(そもそも博士号取得後、有期雇用だったことはありません。ブラック企業にはいましたけど)、もし私がそのような立場にあったら、雇用の最終年度に入ったらすぐに就活して次の行き先を決めると思います。
後になればなるほど状況は苦しくなりますし、就活のライバルも増えますし、精神的にも追いつめられると思います。
精神的に追いつめられるとまともな判断ができなくなり、おかしなところに就職してしまう可能性もありますので、正気を保てるうちに次の仕事を探しますね。