文中:宏(旦那)

    麗子(後の浮気相手)

    アズサ(私)



以前として宏と私は、毎日ケンカを繰り返していました。


うつ病を装って働かない!!


そう考えてはいませんでしたが、無意識的に心のどこかでそう思っていたから、


宏の行動に腹が立っていたのだと思います。



専門家の意見も聞かずに、どこかでそう決めつけていました。


『友達とは遊べれるのに、働けないなんておかしい!!』

そうやって、宏を責める事ばかりを考えていました。




今思うと、その時の私は、必死でした。


自分の思い描く『家庭』と かけ離れた現状に、


そして何も知らずに育っていくわが子。


少しの余裕もなく、相談する事も出来ず、


先の見えない不安で押し殺されそうになっていました。



それでも、宏を支えていかないと、と。




しかし、必死になる私とは反対に、


宏はやる気もなく(たまに元気にはなりますが)、


ケンカも次第に『別れる別れない』まで具体化されていってしまいます。



『もう別れる!』と宏に言うと、


宏は泣いて


『それだったら死ぬ』


と言いました。



たぶん、初めて宏から


『死』


という言葉を聞きました。



すごく怖かったです。


ケンカもしていましたし、宏自体を疑ってもいましたが、


私は宏の事が好きでした。


好きな人が死ぬなんて、想像を絶します。



その日から、大きなケンカの度に、


宏は


『もう死んでやる!』


とか


『もう終わりや・・・』


と『死ぬ』という言葉を発するようになるのです。