【映画レビュー/感想】
患っていない者には理解が難しい「統合失調症」の世界を見事に映像化した作品!!
ぇ?めちゃくちゃ面白かったゾ?この映画*☆
本作にはレイフ・ファインズというお方は一切出てきません。あれ?主演なはずなんだけどなぁ、おかしいね…???
冒頭から、異様な出で立ちと病的な雰囲気で登場するこの映画の主人公スパイダー君。あれをレイフ様だと思って見ると、誰もが「えっ?あなた誰?」って思うことでしょう。それだけ全くの別人!!!
普通なら物入れとして使わない、彼のとっておきのポケット。スボンのポケットではない隠しポケット。そこに入れておけば安心なんだよね。
何か喋ろうとするけど言葉にならない。言葉にならないから、ずっと喋ってる。大抵はボソボソしか喋れないんだけどね。
シャツの着方だって皆とは違う。同じものを何枚も重ね着するのが僕のスタイル。
髪の毛ボサボサ、猫背、ボソボソ、ぶつぶつ、カクカク、ピタッ…
一歩間違えれば、浮浪者か変質者。
でもやっぱり痛々しい精神病患者。
そんな奇妙な生き物、スパイダー君にもう釘付けっ!!こんなヘンテコな映画の主人公には滅多にお目にかかれない。
レイフ様の演技レベルは相当なもの。素晴らしすぎて絶句。もう途中からレイフ様だということを忘れてしまっていた。
で、これ私はすごく好きなタイプの映画!!!物語への引き込まれ感が半端なかった。気持ち悪さこそ魅力的。
これは、スパイダー君が彼自身の過去を旅するお話───
彼の頭の中は、蜘蛛の巣のように綿密に複雑に要り組む残酷ファンタジー。セリフも行動も全部思いのまま。
でも、女郎蜘蛛の罠に掛からないように気をつけなきゃ…
「錯乱していく世界が僕をおいてけぼりにするんだ…母さん、あぁ母さん…」
精神世界をさ迷う主人公の一人称に成り代わって過去を追体験できる作風が大変面白かった。
背景に溶け込むスパイダー君。そこに静止して突っ立て覗き見している不気味さも、いつしか違和感がなくなる。
スパイダー君が泣く場面があるんだけど、あれ私も泣けた。彼の事情が良く分からないのにも関わらず感情移入ができるだなんて、どれだけ自分がレイフ様の演技に圧倒されていたかが分かる。
本当に、複雑怪奇な迷路へと迷い込んだ気分。
この世界がずっと続けば良いとさえ思った。
なんでこんなにも、この作品が気に入ったのか自分でも良く分からない。
スパイダー君の過去には一体何が…?
いや、凄いよ、この作品の存在感。
この面白味を体験しちゃうとクセになる。こっちまで頭がおかしくなって来るの大好きすぎる♡
*☆Keyword*☆
『蜘蛛の糸のいたずら』
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