ごーん・・・ごーん・・・


山の向こうから煩悩を打ち消す鐘の音が、かすかに聞こえる。

暗闇に浮かぶ白い世界に、張り詰めた空気が色を添える。

言葉を発することも叶わぬような、厳粛な空間の中、彼はじっと佇んでいた。


「殿・・・こんな所に居られましたか」

青年はゆっくりと向き直ると、穏やかな口許に人差し指を当てて「静」を求めた。

男がそっと青年の近くに寄り添うと、青年は静かに呟いた。

「心が洗われる様だと思わぬか?」

そのまま前に向き直り、二人しばし無言で厳粛な空間に佇む。


最後の、鐘の音が消えた。

それが合図になったのか、男はそっと声を発した。

「殿、参りましょう。膳の用意がすぐ整います」

「そうだな。早く行かねば怒られてしまうのぅ」

精悍な面立ちににっこりと爽やかな笑みをたたえ、青年は男に応えた。

男もまた、穏やかな笑みで応える。


しんしんと冷える空気の中、そこだけが温かかった。




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年末は誰と過ごす? ブログネタ:年末は誰と過ごす? 参加中

本文はここから


あ。なんか短いな(汗)
えっと、少し早いけど書いてみた。
なんだかこの二人ってこんな感じかな~って思って。。。
この二人には言葉なくても穏やかな時が流れてるような気がしたんだ。
みんなの想像と違ったらごめんな。

んーと・・・
年末、俺は一体誰と過ごすんだろうな。
今のところは一人でのんびり家呑みの予定だけど。。。
誰かさんに呼び出されたり、誰かさんに押しかけられたりしない限りは・・・(汗)



暖かなネオンとイルミネーションに彩られ、冬の街は仮初(かりそめ)の温かさに包まれる。

一時だけの、この時だけの為に施された装飾達。そこここで溢れる音楽。着飾った若者達。

街は時間を追うごとに活気を増していた。



駅から程近いホテルの最上階。

そこに中々予約の取れないレストランがあった。


夜景の見えるレストランとして。

見た目にも舌にも美味しい逸品を提供するレストランとして。

またスタッフのスマートで品のあるサービスが良いレストランとして。


理由はいくつかあるが、やはり一番大きな要因は、値段に見合わぬ美味しさ。

あとは、スタッフのレベルが高いということ。これはレストランの大半の売り上げを占める女性客に大変好評なのだとか。


特に今日は「特別な日」という事もあって、何組ものキャンセル待ちを抱えている。

スタッフ達の目の回るような忙しさにも関わらず、店内では優雅な時間がゆったりと流れる。


ホールから一人のスタッフが厨房にオーダーの確認に来た。

「5番オーダー入りました。X'mas Bで。あと12番のデザートあがってますか?そろそろなんですが・・・」

慌しくシルバーとワインを揃えながら、青年は作業中のシェフに声をかける。
「12番すぐあがる。B了解」

「ありがとうございます。すぐ戻ります」

言い置き、トレーに一揃え乗せるとさっとホールに戻って行った。


足音も立てずテーブルの間を縫うように歩き、窓際のテーブル席に着くと、青年はにっこりと微笑み

「失礼致します。テーブルのご準備をさせて頂きます。こちら食前のワインでございます」

と言うと、慣れた仕草でグラスワインを置き、続いてシルバーを音も立てずに並べると一礼して去った。

その際、店内の中央辺りのテーブルをチラッと確認し、そちらへ向かう。

「失礼致します。ただ今デザートをお持ち致します。こちら、お下げしてよろしいでしょうか?」

横に寄せられたディッシュを手のひらで指して確認を仰ぐと、女性は勢い込んで笑顔で答えた。

「はい。ぜひお願いします」

女性の前に座っていた男性はチラリと青年スタッフを横目に見やった。


黒いパンツに黒いギャルソンエプロン。白いシャツに黒いタイ。同色のベストをしなやかに着こなし、明るい茶髪を黒のリボンでまとめ、理知的な瞳にシルバーの眼鏡をあわせた、文句なしのイケメン・・・

男性は後悔と共に、ひっそりとため息をつくのだった。


(今日は何だかこういうカップルのお客が多い店内だな)

知ってか知らずか、スタッフは手際よくトレーにディッシュを乗せると一礼して戻ってゆく。


厨房に戻り、12番のデザートを運び、5番のセットを運び、新規オーダーを言いに厨房に戻ったところで、ホール部長に声を掛けられた。

「千秋お疲れサン。ひと段落ついたから休憩入っていいよ。まかない山さんに頼んでるから用意してもらって」

肩をポンと叩かれて、張り詰めていた緊張を少し和らげる。

返事を返して千秋は厨房奥に入り、山さんにまかないをよそって貰った。

今日のまかないはクリームシチューパスタ。なかなかに絶品だった。

急いで食べて屋上に行く。


重いドアを開けると冷たい風が吹きつけた。

「さっみぃ・・・」

言いつつ、ファー付きのダウンジャケットの首元を引き寄せる。闇の中に白いジャケットがよく映える。

ジャケットのポケットからタバコとライターを取り出そうとしてハッと思い直し、別のポケットをまさぐってガムを取り出し口に放り込む。

(制服着たままヤニ臭かったらマズイよな。やっぱし)

思いつつ、ミントガムを噛む。

壁を背にしゃがみ込み、ぼんやりと空を見上げる。

いつもよりも少し夜が明るいような気がするのは派手なネオンと装飾のせいだろうと思った。

しばらく夜空を見るともなしに眺めていたが、口からガムを取り出し紙に包むとふいに思いがよぎった。


「そうだ。あいつ茶化してストレス発散しよっと」

そもそも俺が働かなきゃならなくなったのはヤツのせいでもあるんだし、俺にはそんくらいの権利あるよな。

うんうん。と一人胸中で呟くとジャケットの内ポケットから携帯を取り出した。

パカッと軽い音を立てて携帯を開くと、新着メールと着信、伝言メモが山のように入っていた。

(・・・何だかものすごくヤな予感がする)

思いつつ、携帯チェックをしてゆく。


伝言メモを聞く。

『あ、繋がったよ~、千秋君? 私ミカだよ~。今日空いてたら付き合ってください。連絡待ってます』

伝言メモ全てがだいたいこんな感じだ。

続いてメール。

『千秋君? 初めてメールしますね。TEL繋がらなかったのでこっちにしました。後で連絡下さい。待ってます(はあと) リカより』

・・・似たような内容だった。

着信はもちろん知らない番号だらけ。

うんざりしながらメールのチェックを進めて行くと、やっと見知った名前が出てきた。

(もしかして・・・)

開いてみると

『千秋すまん! ルカちゃんに頼まれてお前のケータイ教えちまった。・・・ついでにメアドも? すまん! 合コンの誘いに負けた。許せ』

(ほーぅ。俺が汗水たらして働いてんのに合コンだぁ?)

携帯片手にふるふると肩をふるわせぼそりと呟く。

「矢崎・・・次会ったらシメル」

そうこうしているとまたしても新着メールが。

チラと見るが、同じ様な文面だった。

一体何人に回ったのやら。番号とアドレス替えないとなー。いっそケータイ自体換えるか・・・


くっそーーっ。何が、なにが・・・

「メリークリスマスだ、このヤロー」

千秋の悲痛な叫びが、日付も変わろうとする聖なる夜に飲み込まれて消えた。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


えっと・・・

クリスマス企画・・・だけど・・・

俺ってやっぱりこういう運命なのか?

なんか、ものすごく可哀想な気がする。

せっかくのイブにこんな目に・・・

頑張れ、俺。


みんな、楽しいイブを過ごしてくれな。



うららかな午後。

本日最後の授業も終わり、とたんにざわめく教室内。

そんな中、荷物をカバンにつめる千秋に成田が声をかけた。

「千秋、そろそろ髪切った方がよくない?」

声に目を向ける、確かに少し前髪が邪魔ではある。

眼鏡にかかった前髪をかき上げて、隣のイスに座っている成田を見る。

「そうだなぁ。そろそろ切らないと邪魔かもな」

その返答ににっこりと微笑むと、成田は急いで帰り支度をして千秋のカバンをとった。

「さ、行くよ千秋。急いで」

「え? ちょ、成田?」

戸惑う千秋をよそに、残ったペンケースを放り込み、強引に千秋の腕をひく。

(なんなんだ、一体)

怖いのは、その間ずっと成田がにこにこしたままであるという事。。。


何やら分からないまま連れてこられたのは、成田家から程近いこ洒落た感じの明らかにそれと分かるお店。

「成田・・・これって・・・」

「うん? 見たとおりの美容室だけど?」

それが何?とでも言いたそうな顔で千秋を覗き込む。

「だってさ千秋。いい加減それうっとおしいんだもん。もう今切っちゃおうよ。あ、ここがイヤなら俺切るけど?」

ちろっと眼鏡にかかる髪を見上げて、天使のような笑顔でさらっと凄いことを言う成田。

(こ・・・こいつこえぇ~~)

「わ・・・わかった・・・入る」

千秋がひきつりながら応えると、満足したようににっこり微笑んで入り口のドアを開いた。


何があったのか、すっかりよれよれになった千秋が店内から出てくると、後から成田がついて出てきた。

「やっぱりそ方がサッパリしてていいねー」

スッキリした前髪をみやり、にっこにっこと微笑む成田。
「ソウデスネ・・・」

脱力に襲われつつ、生返事を返す千秋。

「じゃあ、もう帰るわ・・・」

「何言ってんのさ」
帰ろうと足を踏み出した千秋に成田が突っ込む。

固まる千秋をものともせず、右手を掴むとさっさと歩き出した。

「え? ちょ・・・成田?」

「今度は俺に付き合ってよ。わざわざ待ってたんだからさ」

(まじかよ~~)




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


やっと・・・やっと書けた。。。
待たせたな。・・・待ってないとか言うなよ(苦笑)

これは初期のほうだな~。
ほのぼの?してた頃。
ああ、懐かしいな。


・・・

仰木居なくてこの日、散々だったな・・・俺

さすが成田。。。