大切なこと
2024年4月8日 甲辰年 戊辰月 壬寅日
こころと行動
あれは確か
彼女が小学3年生の夏休みだった。
夏休みの宿題ワーク集。
国語ワークに
読んだことのない物語の文章題が
初めて出題された。
丸付けは親の係。
小学生向けの物語の本を読んでは
空想を膨らませるのが大好きな彼女は、
出来映え自信たっぷりだったのだろう。
結果は、ほぼペケ✖️。
彼女はショックを受けたようで、
「なんで好きに読んじゃダメなの?!」
と怒鳴り、ギャン泣きした。
もうやらない、と
大泣きする。
だから、
こう返した。
誰も「君が好きに本を読むことがいけない」とは
言ってないし、書いてないよ。
「次の文章を読んで問いに答えなさい」
と書いてあるのだから、
ここでは
「この文章から答えを見つけることを問うて」いるんだよ。
それが国語の勉強なの。
「君が自分の好きなように読むこと」と
「国語の文章を読んで答えなさい」は
別のことなんだよ。
何でそんなことをしないといけないか
と言うとね、
例えば、
お友達が君の事を誰かに話しているのを
君が目撃したとして、
お友達は君の事を悪く言っていないのに
「〇〇ちゃんが私のこと△△と言っている」と、
〇〇ちゃんが言ってもいないことを
君が勝手に悪く解釈して、
他のお友達に話したら
どう?
〇〇ちゃんは悲しくなるし、
君はずっとそう思い込んで苦しくなるでしょ?
それじゃ辛いでしょ?
だから、
話している事、書いてある事を
正確に読んで理解することが大切なんだよ。
国語の勉強はその訓練なんだよ。
だから、
君が好きな本を自分の好きなように読むことは
それはそれで楽しめば良いし
君のその自由な発想力は大切にしていて良いんだよ。
国語の勉強の時は
頭を切り替えて、
書いてあることを正確に読みとることを訓練するんだよ。
それから彼女は
素直に勉強をするようになった。
あれから10年経つかしら
彼女は国語を得意科目として
教員を目指す道を進むようになった。
何かつまづく時、
何かものごとが起こって
感情が湧き起こる。
悲しみ、怒り、不安…
感情にのまれて
物事を回避したくなることもよくある。
本当にその物事が必要なければ
避けても良いだろう。
でも、
その物事が
その人にとって
必要な過程であるならば、
「回避」することはもったいない。
湧き上がる感情と
その物事に対する感覚の
葛藤を感じるなら、
「物事にあてる視点を変えること」
も一理、
湧き上がる感情を消し去るのではなく
ちょっと先の例えば20m程にでも
「感情を自分から距離を置いて眺めること」
も一理、
そうやって
少しでも冷静にさせて
その人の「行動の一歩」を軽くしてあげることは
とても大切なことだと
思うんだ。
目標へ向かう道は
こころのコントロールと
行動次第なんだ。
人生は「道」だものね。