ダマスカス | バカのアフォリズム

ダマスカス


やどかり日記



日本の皆様へ

ご無沙汰しています。
僕は今、シリアのダマスカスにいます。

日本の地震は、発生後、すぐに知りました。
こちらでも連日、日本の地震についての報道をニュースが伝えています。

旅先で一番嫌なことは、自分が日本を離れている間に、日本で災害や不幸があることです。
それだけはありませんようにと、常々祈りながら旅を続けています。

しかし今回はそれが起こってしまいました。
僕が生まれ、親戚の住む仙台と、現在僕が生活している福島が、天災により壊滅的な被害を受けました。

友人や家族から、何通かメールをいただきました。
それを通して、悲痛の声が僕の胸に刺さりました。

家族の住む東京への電話もなかなか繋がらず、二日目にしてようやく親戚家族の無事を知りました。
それでも被害にあわれた方々のことを想うと、胸がえぐられる想いです。

実は地震の数日前、僕は韓国人の青年と日本について話をしました。
彼は熱心なクリスチャンで、信仰と共に生きていました。
韓国は儒教の国だと思っていたら、70パーセントがキリスト教だといいます。
世界最大の教会があるのも、韓国だそうです。

韓国の経済成長は目を見張るものがあります。
しかし韓国のビジネスは、神への信仰心と共にあるそうです。
それは無宗教の日本人の経済とは、根本的に違います。
神への信仰心がベースにある韓国の発展と、キャピタリズム(「アメリカ主義」とでも言いましょうか)がベースになっている日本の経済発展と開発。

僕はこの韓国人青年としばらく二人で旅を続ける中で、「聖書」に興味を持ち、偶然にもトルコで日本語の聖書を手に入れました。
イズミールという町に住む日本人建築家の素敵な夫婦が、僕に譲ってくれました。

聖書の世界は、神と人間の信頼関係、コミュニケーションの大切さを描いていました。
人間は歴史の中で、何度となく神に対するコミュニケーションを忘れ、その度に神の怒りを買い、天災により神の力を思い知らされてきました。

仏教徒の僕にも、聖書に描かれる真理は、理解できるものでした。
そしてその真理とあまりにもズレてしまっている現在の日本に対して、危機感を感じていました。

熱心なキリスト教徒の韓国人青年は、こう言ったのです。
「先日ニュージーランドで大地震があったけど、近いうちに日本にも同じような天災がくると思うよ」

そして彼と別れ、数日後に発生した、この大災害でした。
僕はこの災害を、ある種の啓示として捉えざる得ないのは、こうした偶然が地震の前にあったからです。

僕は神に跪いてでも、次のように祈りたい。
どうかこれを機に、日本が自然に対する恐れを取り戻し、絶対的な創造主に対する祈りと共に、復興し、そして発展してゆけますように。
どうか日本が、信仰心を取り戻し、心の豊かさを感じられる国へと方向転換することができますように。

僕は旅で様々な国を訪れる中で、日本の特殊性を体感しました。
それは現在の日本に、宗教がないということです。

日本のために祈ります。

ダマスカスにて




            アレッポ(シリア)


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