アーグラー
親愛なる人たちへ
お元気ですか。
日本は全国的に厳しい冬だと聞いています。
僕は今、インドのアーグラーにいます。
この町はインド旅行のハイライトです。
そう、タージマハルがある町です。
タージマハルは圧巻でした。
大理石の色合いといい、
直線と曲線による輪郭といい、
壁面の緻密な装飾といい、
設計は実に数学的であり、
細部の装飾は実に職人的でありました。
そして見るものを圧倒する大きさと、立体感。
近くではカメラに収まらないほど巨大で、
また四方どこから見ても同じ形に見える立体構造なのです。
そんなに巨大でありながら、
内部にあるのは大きな空間が一つだけです。
その壁面には緻密な装飾が贅沢に施されています。
そして、その空間の中央あるのは棺です。
そう、タージマハルは皇帝が妻のために作った巨大な墓なのです。
22年の歳月と莫大な費用を費やして建設したそうです。
それにより国は傾き、皇帝は幽閉される結果となりました。
しかしそのタージマハルが、今では世界中の旅行者を集め、
インド観光一番の稼ぎ頭になっているのだから面白いです。
実はタージマハルの入場料は、外国人だとかなり高額です。
現地人だと20ルピーなのに、外国人だと750ルピーです。
だからアグラに来ても、タージマハルに入場しない旅行者は結構います。
入場しない代わりに、ホテルの屋上から見るのです。
多くのホテルが、屋上からタージマハルが見れるように作られています。
僕のホテルからもタージマハルがきれいに見えました。
僕も最初、これで満足しようかとも思いました。
しかし、それではどうしてもタージマハルを見た実感が得られませんでした。
それで迷った挙句に入場したわけです。
でも、入場して本当に良かったと思いました。
タージマハルに近づけば近づくほど、その凄みは全身に迫ってきました。
それはタージマハルの前に立ってみない限り、わからない感覚でした。
さて、タージマハルを見に来たという、インド人の若者と少し話しました。
彼はここから300キロ離れた町からやって来たと言います。
僕の旅の話をすると、彼は凄く羨ましそうにこう言います。
「君の方が、僕よりもインドの色んな場所を見ている。
僕は今日、初めてタージマハルを見た。
君のようにガンジスもブッダガヤも行ったことがない」
ガンジスやタージマハルなどは、世界的に有名です。
しかし多くのインド人は、それらを見たことがないのです。
むしろ外国人旅行者の方が、それらを見ているのです。
経済的な余裕がない多くのインド人は、自分の町から出たことすらないのです。
僕は彼と話して、インド人が20ルピーなのに対し、
外国人が入場料に750ルピー払うのは、仕方ない気がしました。
その金額は、日本でいえば映画館の入場料くらいでしょうか。
そもそも国が傾くほどの建築費用がかかってますから、決して高くはないのかも知れません。
何だか最後はお金の話になってしまいました。
しかしお金持ちの外国人の方が、自分の国をたくさん見ているというのは、僕が逆の立場なら、どう感じるのでしょう。
また一方で、僕はお金持ちの外国人に生まれ、
世界を旅できることに感謝せねばならないのだけど。
それでは。
日本ではまだまだ厳しい冬が続くと思いますが、
どうぞ雪による事故や風邪などに気をつけながら、
元気にお過ごしください。
See You !
アーグラーのネットカフェにて







