『難関校合格への99の戦術』(熊野孝哉先生) | 中学受験算数「やまもと算数・数学塾」

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完全マンツーマン指導。JR御茶ノ水駅前にある算数・数学塾。

本日発売の新刊です。行き帰りの電車で一気に読みました。

読者は最難関校を目指す保護者あるいは私のような塾講師だと思います。
現時点で算数偏差値(SAPIX偏差値50)あたりの生徒には、ちょっと逆効果になるアドバイスがはいっています。あくまで最難関を目指す子向けの指南書です。

共感するところ多数。

1, 偏差値55を超えたら、先取り学習を開始する。
たぶんこの55のラインはSAPIX偏差値のことだと理解しています。予習シリーズ改訂後の、四谷大塚偏差値はほぼ資料として役に立たず💦近年、私は見ていないです。

2, 先取り学習を終わったら『四科のまとめ』に直行する。
・・・塾生には、網羅系としては『四科のまとめ』以外やってもらっていません。逆に、小6時点で四科のまとめで苦戦する子は併願パターンを考えてしまいます💦

3, 6年生の夏休みは『    』(ある有名な本)をやる。
じつはもう塾の小6生にはもう毎週やってもらっています😊

4, 渋幕の算数は・・・
なるほど、だから私の塾の渋幕合格率は異常に高いのか、と納得。

一番興味深いのは「思考系対策は6年生の秋以降に効いてくる」という記事。


入試は中学受験でも、大学受験でも解法系問題(類題の経験があって処理できる問題)と思考系問題に分かれます。SAPIXオープンテストでは解法力はAテスト、思考力はBテストで測定しますね。

解法系は類型化して教えるだけですが、難しいのが「思考系問題」とはなにか?という問い。
ある生徒にとっては予習シリーズ例題に載っていても初めて見る問題に出くわすとき、それは「思考力問題」です。
小4のSAPIXテキストには毎回『頭脳トレーニング』が載っていますが、あの問題は小6時では解法処理できるものばかりです。

 

思考問題とは?

熊野先生は思考力問題を…
①受験算数の延長で対応できる問題(算数系)
②作業力・処理能力が要求される問題(作業系)
③読解力・整理能力が要求される問題(読解系)
④数学的考察力が要求される問題(数学系)

の4類型にすっきりと分けていらっしゃって、なるほど!と感心しました。

①算数系はほとんどの問題に対していえます。②作業系だと筑駒・栄光あたり。塾だと筑駒合格者の多いエルカミノの生徒はこのタイプの強い子が多いです。エルカミノの子はゆっくり、じっくりと考える子が多い。(一方で解法力が少し弱い。)

③読解系は難関校を目指す全生徒に対していえます。③が多くの受験生にとっての合否の分かれ目なのでしょう。その意味で国語力は大事。大学入試の「共通テスト」の影響で、そうとうな文章量を読ませる学校が増えています。一過性ではなく、これからますます増えるでしょう。画像は今年2024年の聖光の統計問題。ただし、問題量が多いので、この1問にたいして本番でかけられる時間はわずか5~6分程度です。
 




④数学系というと、渋谷幕張ですね。この学校は以前、幾何の数学知識をそのまま聞いてきました。千葉県のSAPIX校舎だと特別に時間をとって対策をしています。


感想は以上です!

「算数が得意だけど、具体的に何をしたらよいかわからない」保護者様向けの良書でした。

 

卒塾生。中1がんばっている!ありがとうございます😊

県内トップ校で満点の高2。東大へ、東大へ。

 

 

暑くてひんやりシートでくつろぐパピヨンくん

 

 

レッスンはハードですが、ドリンクは自由です。こまめに水分をとってください。